(1)博物館便り
先週に引続き当館最大のイベント夏休み「こども絵画コンクール」について述べたい。
応募作品が増加している理由は小学校の先生方の積極的な協力が得られたからである。学力だけで子供の評価を決めるのではなく、子供達の個性を伸ばす教育を先生方は望んでいる。しかし、実際の授業の中で出来るかといえば、決められた学習指導要領の中で時間をとる事は難しいのだ。
しかしこうしたコンテストに参加することはスポーツで言えば大阪府選手権に出場して自分の実力を確認することである。このコンテストに真面目に参加すれば絵画への可能性を確認できる。また、私が考えていることだが、絵を書く能力を高めることは第2のコミュニケーションの道具を持つことだと考えている。
言うまでもなく第1のコミュニケーションの道具は言葉である。しかし、言葉で言い表せない形や動きは絵で表すことができる。それは人間が社会で生きていくのにとても役立つはずだ。口でうまく言えない事、英語がうまく話せなくても絵を描くことで自分の意思を相手に伝えることが可能になることもある。子供の頃にそうした能力を育てることはとても大事なことだ。子供達は未来そのものだ。その子供達に博物館ができることとして絵画コンクールの意義があると思う。こうした博物館の思いは学校の先生方に伝わり、企業の社会貢献活動として高く評価されているようだ。
(2)通勤サイクリング
先週日曜日は90kmロードバイクで走った。ロードバイクと言っても700×28Cタイヤは、ゴムがサイドまでしっかり保護している丈夫なもので重く、形はロードだが実際はクロスバイクだ。
まず自宅から博物館へ15km、おはようサイクリングに参加し仁徳陵の回りを3周して約10km、健康サイクリングイベントの集合地点へ10km、健康サイクリングで泉北ニュータウンの起伏のある緑道(人と自転車の道)を通り、天野街道(古道で10km以上信号がない)を楽しみ、河内長野市の天野山金剛寺まで約30km、博物館へ戻るのに10km、自宅へ帰るのに15kmである。
久しぶりに脚筋肉に疲労感を覚えた。しかし思えば現役選手時代は毎日がこんな状態だった。筋肉は極限まで疲労し、日焼けも重なって夜は足がほてって寝苦しかった。大学2年の時、大学選手権で入賞を逃して、札幌から京都まで1400kmを一週間で走ったことがあった。次の国体に向って燃えて練習に打ち込んだ時期だった。結果的に国体で入賞し、3年の時に全日本ロードで勝てたのはこの1400km旅が役立ったと思う。スポーツをやっていて「強い選手には強くなる理由が必ずある」と学んだ。同じ事をしていては勝てない。自分にとって本当に必要な練習は何か・・・考えても結論はでない。しかしその時考え、決めた事に挑戦し、継続する事で何かが生まれる。失敗を重ねる中で少しずつ経験を積み、運にも助けられて勝利の女神が微笑んでくれるのです。これは私の人生哲学とでも言えるものです。 (中村博司)