2006年08月27日

★2006年8月第4週

[ 8月27日 8月12日の事を思い出すと今も胸が痛みます。]
(1)博物館便り
先週は(財)日本自動車教育振興財団が主催する研修会がシマノと当館の協力で開催された。
午前中に「自転車技術開発 ━ より安全により快適に」というテーマで、シマノの技術部長の講演と「自転車の社会的課題と自転車交通を活用したまちづくり」と題して当館の中村が講演を行った。
日本が抱える「不法駐輪、放置自転車」と「歩道上の歩行者と自転車利用者の摩擦」を北西ヨーロッパの自転車活用先進国の取組みを、2年前の視察で撮った写真を使って説明した。ドイツとオランダの巨大駐輪場や自転車レーン、グリーンウェイも写真で紹介し、こうした取組みの背景には自動車よりも歩行者と自転車利用者の安全と利便性を優先する思想があること。 また古い街並みを守り、自分の住む街を誇りの持てる街にする、まちづくりの思想がある。さらに、日本における超高齢化社会において、高齢になって自動車を運転できない日が来た時のためにも、電動椅子と電動アシスト自転車が安心して走れる自転車レーンの整備が必要であると締めくくりました。
研修会参加者は高校の先生方で、実際に自転車で通勤していて自動車の多い幹線道路を避ける工夫や、自転車の法整備等の質問がでました。その中で「自転車のまちづくりの取組がなされ、博物館イベントでいろいろ教えてもらえる堺にいつか住みたい」という発言に私は感動してしまいました。
「行ってみたい街、住んでみたい街」にする事が堺の自転車まちづくりの最終目標だからです。
午後には博物館の見学もしていただきました。
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子供が安全に乗れる自転車の通行を確保しているオランダの親子三輪自転車


(2)通勤サイクリング
8月26日に金沢で「五輪の碑 建立20周年・並びに辻昌憲氏をしのぶ会」があり出席した。
1985年8月の日航機事故でシマノの社員が2人亡くなった。
1人は私が営業に配慮された時の上司にあたる人だった。もう1人はシマノレーシングチームの初代監督、辻昌憲氏だ。金沢高校、中京大学出身で、東京オリンピックの代表選手でもあった。
あの8月12日私は、グリーンピア三木で雨の中を自転車で走っていた。シマノ鈴鹿の前身にあたるレースはグリーンピア三木で1984年に始まっている。このコースが雨天のレースになった時の対応を考えるため雨の中を選んでの試走となったのだ。雨と汗をグリーンピアの風呂で洗い流して、車でシマノに戻る途中にこの事故をラジオは伝えていた。
時間からして東京出張帰りのシマノの社員が乗っているかもしれないと話していた。会社に戻ると2人が乗っているとの事で対応に追われ、騒然としていた。
辻氏もグリーンピア三木のレースの打合せのために、東京の日本自転車競技連盟を訪問し、その帰路、不幸にして事故機に乗ってしまったのである。
辻氏と一緒に走る機会はなかったが、社内で私は落ち込んでいた時、「元気ださなあかんで」とかけてくださった声が今も耳にのこっている。
この事故後、辻さんの奥様に私から、「自転車の博物館が出来るので働きませんか?」とお誘いして、開館から8年間、働いていただいたこともあり、今回は私がシマノを代表して、しのぶ会に出席したのである。(中村博司)

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2006年08月19日

★2006年8月第3週 

[ 8月20日 雑誌「ファンライド」の取材を受けました。]
(1)博物館便り
10月14・15日に今年で33回目になる堺まつりが行われる。
堺の特色である自転車のまちをもっとアピールしたいと協力要請があった。昨年はクラシック自転車のレプリカの貸出しや、サイクルサッカーチームの紹介などに協力した。
今年は市民参加型の楽しいイベントを行いたいのでと協力要請があり、内容は確定していないものの、当日のイベントには協力することになった。
各地の祭りは他の町が真似の出来ない文化と伝統に裏付けられたものが地域住民だけでなく、遠方からの観光客を呼び込んでいる。
関西で代表的なものと言えば京都の祇園祭になるし、堺の近くでは岸和田のだんじり祭りになるのだろう。
堺まつりは今年は33回目にもなり、呼びものは火縄銃の一勢射撃や南蛮行列だったようだ。これにもっと自転車色を出して行く計画だ。こうした活動を通して「自転車のまちづくり」の活動を広くアピールする方策を考えていきたいと考えている。
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昨年の堺まつりでの自転車パレード。
時代考証から見ると問題があります。





(2)通勤サイクリング

先週は自転車専門雑誌の取材を受けた。私の自転車通勤についての取材である。
40歳代、50歳代の人なら、多くの人は自転車通学の経験を持っていると思うが、これが社会人になってからも変わらず続けている人は非常に少ないと思う。
私も中学2年生の時から自転車通学を始めたので、14歳の頃から始めた。44年前だ。残念ながら私は6年間自転車通勤が出来ない時期があった。1973年のヨーロッパにメカニックとしてプロチームと転戦した年と、1979年から当時のシマノ東京営業所勤務をした5年間だ。営業所がある建物の4階の社宅に住んでいたから、自転車で通勤できなかったのである。この5年の間に自転車に乗る機会が減り、脚力は低下するし、腰痛も起きた。やむなく朝早く起きて、多摩川サイクリングロードで汗を流す生活を始めたら、腰痛はすぐに解消した。
そんなことがあり、1985年に自宅を購入する時、@自転車通勤に適切と思われる、会社から15〜20km離れていて A自転車が安全に走れそうな道がある方向に家を探した。
結果、泉北ニュータウンの一角の自宅を購入して自転車置場を作った。2m×3m四方の部屋だが、天井から3台、下に4〜5台の自転車を収容できる。
現在は泥除け付きランドナー、シクロスポルティーフ、ロードバイク3台マウンテンバイク2台、タンデム1台が入っている。幸いこの10年間は事故はない。通勤途中に自ら転倒した事は5回はあるが、いづれも路面が濡れる、凍結していた時の転倒であり他人を巻き込んではいない。また最近は自転車のまちづくりに取組んでいるので信号は厳守している。
今回たまたま博物館学芸員の実習生を受け入れていたので、取材風景も見学してもらった。
雑誌の発行は9月20日です。関心のある方、毎月購読している方は見てください。 (中村博司)

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2006年08月12日

★2006年8月第2週

[ 8月13日 体重の3%の水分が失われると危険です。]
(1)博物館便り
先週は山口県下関市で行われる「しものせき サイクルマラソン2006」の打合せに行ってきた。
下関市にはシマノの下関工場があり、自転車を活用したまちづくりにも市長を先頭に取組んでいる。 その1つとしてこのサイクリング大会が計画され、シマノに相談があったのは3月だった。シマノはロードやMTBのレースイベントを中心に大会を主催しているが、サイクリング大会の経験はない。ただこの日記でも書いたが、「大和川サイクリング2004」をコーディネートした経験を私が持っているので、3月中旬に下関市役所を訪問した。
「主催団体としての行政」「広報手段を持つ新聞等のマスコミ」「イベントの手配と参加者を受付ける事務局」「サイクリング実行部隊」、この4つが「実行委員会」を作って、警察の承諾その他さまざまな準備をする必要があるとお話した。
私自身も大会を開催するノウハウを持たないので、シマノの大会でツーリングイベントを指揮している外部スタッフに要請して、下関市の大会に関わってもらっている。大会は11月19日(日)に下関市立考古博物館をメイン会場に行われる予定だ。メニューとしては120kmのロングコース、50kmのミドルコース、15kmの自転車散歩がある他、販売促進テントが揃い、抽選会などがあるふれあいパーティーも行われる予定である。
昨年の1市4町の合併で新たな魅力が加わった新下関市の豊かな自然をサイクリングで楽しめるので、是非参加して下さい。私も当日お手伝いする予定です。

(2)通勤サイクリング
8月8日は台風7号の近畿地方への接近が天気予報で報じられていたので早めに博物館を出た。
せっかく早く帰路についたので、自宅近くの周回コースを走り始めた。雨が降ってきたり風が強まれば、自宅に逃げ帰る計画である。 結果的には日没まで走り45km程走った。
この時期は暑く、発汗量も異常だ。ボトルの水を飲みながら走ったが、自宅でシャワーを浴びた後体重を計ると64kg程で、この夏一番の最軽量だった。熱中症の熱疲労寸前である。
脱水による症状として脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気の症状が出たら熱疲労である。通常体重の3%の水分が失われると運動能力や体温調節機能が低下するといわれている。私の体重は66kgだから、3%の水分が失われると2kgも減ることになり、64kgは限界に近かったわけだ。
確かに周回コースを同じペースで走っているつもりでも、後半タイムが悪かった理由が説明できる。また疲労感もいつもよりひどく、あまりビールを飲みたいと思わなかった。
まずスポーツドリンクを一本飲んで、犬の散歩に出た。夕食時は最近購入したイタリアのガス入りの水を1リットル飲んだ。 体が疲れているのにアルコール飲料を飲むと肝臓にさらに負担をかける。だから本当に体が疲れたらアルコールは控えるべきだし、反対に二日酔いの時はスポーツは控えた方が良い。
ガス入りの水は炭酸が入っていてビールのような飲み口で気に入っている。最初は違和感を覚える人も多いが、1ヶ月も飲んでいると好きになる不思議な飲み物です。 (中村博司)
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炭酸ガス入り水
左はGALVANINA(イタリア)、中央はOREZZA(フランス コルシカ島)、右はGEROLSTEINER(ドイツ、プロツールのチームをスポンサー)
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2006年08月05日

★2006年8月第1週 

[ 8月6日 この毎週日記は3年目に入りました。]
(1)博物館便り
先週は東京スポーツ新聞社から「自転車か自動車、どちらが早く出来たのか?」という質問に対する答えを記事にしたいと取材を受け、8月3日に発行された。
私は自動車の定義によると答えた。一般的に自転車は1818年、ドイツのドライス男爵が発明し、1886にカール・ベンツがガソリンエンジンの自動車を発明したと知られている。しかし自動車をガソリンエンジンを積んだ車と決めなければ、1769年フランスのニユラス・キュニョーが作った蒸気自動車(砲車)がある。実際には蒸気機関が重すぎてハンドル操作もままならず、しかも当時の道路もそんなに重いものが走るようには出来ていないので、実際に使われていないようだ。では自転車の技術が自動車の誕生に役立った証拠はあるのか?
それは当館で展示している1878年製のスターレー・ソーシャブルに搭載されている、ラック&ピニオンのステアリングシステムであり、ディファレンシャルギアである。現代の自動車が採用しているシステムは自転車の産業で生まれたものであり、1886年のベンツ車にも採用されているのだ。では自転車の定義を2輪の乗り物に限定せず、車輪を人力で動かす乗り物としたら、1730年の彦根藩の平石という人が古文書に残した、図面に出てくる船形の乗り物でクランクにゲタをつけ、走れるものである。 もし現物が残っていれば、疑いなく自転車は日本発の乗り物と言える物だ。
自転車の歴史にも多くのミステリーがあり、定義を変えると新しい発見があり、とても楽しい。

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1878年製スターレー・ソーシャブル。ラック&ピニオンで前輪の方向を操作できる。







(2)通勤サイクリング

この毎週日記を始めたのは2004年8月1日だったので、2年間続いたことになる。とにかく1年間は続けないと、と思ったが2年も続けてこれたのは、健康を維持し、事故にも遭わずに済んだという証明であり感謝したい。 またこの毎週日記の熱心な読者の方にも感謝します。有難うございました。
ただこのHPへのアクセス数は、2年前の8月は約6,500件、1年前は5,500件、今月は4,500件位になりそうで魅力的なHPにする努力が足りない事を現していると思う。
この毎週日記は常に新しい情報を提供する事が求められるHPの特長に合った形の情報発信手段として、ブログを考えて始めたものだ。しかしこれは私自身のためでもあると考えてきた。
私は毎日自転車に乗り続ける中で、考えたことを発信することを大事にしてきた。自転車は走って初めて、その価値が決まるという信念が私にあるからだ。
これからもこうした走る中で、体が感じ、体が教えてくれる自転車の良さ、魅力について書いていきたいと考えている。これからもお付き合いをよろしくお願いします。 (中村博司)


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