(1)博物館便り
先週は泉北ニュータウンの小学校で行われたキャリア教育プロジェクト、「こんな自転車欲しかってん」の発表会に行き、審査委員長として協力した。キャリア教育については何度も書いたが、ニート、フリーター対策として経済産業省が進める補助事業で、それぞれの地域の特色を出し、民間の協力を得て、NPOなどが実施している。
堺ではNPO南大阪地域大学コンソーシアムが、地場産業の自転車を取り上げ、「こんな自転車欲しかってん」というテーマで、新しい自転車の企画を考えることで「ものづくり」を学ぶ学習を実施している。
この南大阪のコンソーシアムは新しい自転車の企画の完成度や、結果を重視するのではなく、子供達が市場調査、ニーズの把握、販売ターゲットの設定ニーズに応える機能とは何か、など思考経路を学ぶことを重視した授業を実施している。
私なりの理解としては、子供達は学校で先生から各教科の授業を受けることで知識の蓄積は進んで行くが、その知識を使って新しいものを創り出したり、問題解決能力を育てる授業は今まで行われていなかった。しかし社会に出て必要とされる能力はこうしたことが大変重要だ。
今回の発表は、先生方の適切な指導もあったにちがいないが、子供達の創意工夫でキラキラ光る発表が多く、審査員が頭をかかえる程素晴しい発表が出揃った。
最後に代表の児童が「この授業に協力して下さってありがとうございました。考えることがこんなに楽しいことだと初めて知りました。」とお礼を述べてくれた。
この言葉に私も含め審査員一同、目に涙した。
この授業はこれから子供達が生きていく上で、大きな力になると確信した。この授業に協力させてもらって本当に良かったと思い、報われた気持ちになった。
(2)通勤サイクリング
11月19日は下関市で行われたサイクルマラソンのお手伝いに行ってきた。下関市は数年前から自転車を活用したまちづくり、「サイクルタウン」構想を推進している。
今春、周辺の町村合併で生まれた「新下関市」をアピールし結束を高めるイベントとして、合併町村を網羅するサイクリングイベントを、自転車が好きな市長の意思もあって実施したのだ。
下関市には、シマノの下関工場があり、サイクリングを実施するための相談があったのは今年2月頃で、3月には私も下関市市役所を訪問しアドバイスもさせていただいた。
今回の大会には下関工場からと、本社からも私を含め4人が協力させてもらったのだ。残念ながら、19日(日)は全国的に雨天で、少し厳しいサイクリングとなった。私は下関市長が参加した130kmを走るロングコースを走り、市長が完走出来るようサポートすることになった。
スタート前に「軽めのギアを使って、軽くペダリングすること。初めにペースを上げると後半バテるので、ペースを押さえて走ること」をお願いした。サポートと言っても結局は自分の力で走っていただく以外何もできない。登り坂になると「ハンドルを自分のおへそに向って引き付けることで、全身の力でペダルが踏める」下り坂では「人のペースで下らず、自分が自信が持てるスピードで下る」などアドバイスした。
後半は気温が下がってきたので、ビニールカッパを着てもらった。
結果的に市長自身が頑張って、完走された。一緒にサポートした市役所の方、サイクリストの方と思わず握手して、市長が事故もなく無事完走した事を喜び合った。
下関のサイクルマラソンは、雨天にも関わらずこうしたイベントを最後まできちんと実施できたことは、大変素晴しい準備が出来ていたことだと思います。来年も実施して天候に恵まれたら大成功と言う評価が得られる大会だと思います。なにより、市長が130kmのコースを完走するトップの意欲と、市役所にも自転車が大好きでイベントを支える人材もいます。エイドステーションの「おもてなし」も心がこもっていました。地域住民の応援も新鮮でした。 (中村博司)