[ 5月20日 水辺を走ると虫の群れにぶつかるが、納得しています。] (1)博物館便り5月は自転車月間である。リニューアル効果もあって、取材は多い。先週17日は関西テレビの、午前9時55分からの番組「痛快!エブリディ」の「モーレツ怒りの相談室」という特集番組で、自転車のマナーの悪さを取り上げるにあたり、自転車の交通ルールに詳しい専門家として出演依頼があった。
司会の桂南光さんは、当博物館の開館時に作ったビデオ「自転車おもしろ教習所」に出演していただいた事もあり、今回お会いしたら、当人からその話もお聞きできた。
今回の怒りの相談は、自転車通行禁止の時間帯に商店街を走る抜ける自転車が危険だというもので、携帯電話でメールをしながら走ったり、自転車のマナーの悪さが目に余るというものだ。
まず自転車の保有台数や、事故統計の報告があった。自転車と歩行者の事故は、1996年の582件から昨年は2,767件と、約4.8倍に増加した。
私はこの原因として、日本人の順法精神が低下している。自動車は信号が赤に変わっても、交差点に入るし、歩行者も車が来なければ赤信号でも渡る人が増えている、とコメントした。
そのあと投書のあった商店街のVTRが流れ、歩行者と自転車利用者へのインタビューがあった。
自転車利用者もルールは理解しているが、「人が少ないから」「足が痛かった」「皆、乗っている」など悪気はないと言い訳をしていた。
このあと無灯火の自転車で、携帯電話をしながら歩行者に背後から衝突。歩行者に重い障害が残った事故に対し、5,000万円の支払が命じられた事例の紹介があった。そして、スタジオ出演していた弁護士より「自転車は軽車両で、車道の左側を走ることが原則で制限速度も自動車と同じ」と説明があった。
ここで、歩道をなぜ自転車が通行するようになったのかの説明を求められ、私から、自転車の歩道通行が認められた歴史的背景から、自転車が通行を許可されている歩道は4割であると説明した。
このあと、交通ルールの紹介があり、自転車には自動車のように反則金制度がないので前科がつくという話に、出演者は驚いていた。
道路交通法が改正され、13歳未満の子供の歩道通行を認めようとする話に対してコメントを求められたので、歩行者と自転車の事故が急増している現状では疑問が残るし、自転車は車道を走るのが原則なので、自動車と自転車が車道を譲り合って走るのが本来の姿で、歩行者にしわよせするのはおかしいとコメントした。またオランダでは、対面2車線の道を一方通行にして自転車レーンを作った例を写真で説明した。

以前は両面通行の車道があったのを一方通行にして、自転車レーンと駐車スペースを作っている。右の自転車レーンは一方通行で、手前から奥へ走る自転車用で、見えている自転車は車道を走っているが、これが正しい走り方だ。
(2)通勤サイクリング
専門病院での検査でお医者さんからOKが出て、先週から通勤サイクリングを再開した。
しかしまともに1ヶ月も走っていないので、ペースはゆっくりだ。まだ明るいうちに博物館を出てゆっくり走ると、新緑の季節の良さをより強く感じる。
自宅近くまで帰ってもまだ明るいので、光明池という明治時代に作られた大きな農業用ため池の周りを走った。
水辺の道は眺めが良く好きだが、この季節になると群れを作った小さな虫がいっぱい飛んで、その中に突っ込むと顔にいっぱい虫がぶつかる。メガネを着用しているので目に入ることはないが、たまに口の中に飛び込んでくるのもいる。あまり気持ちの良いものではない。でもこうした事も、自転車で走れるからだと考えると納得してしまうのです。(中村博司)
posted by bikemuse at 16:09|
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