2007年07月28日

★2007年7月第5週

[ 7月29日 イベントで自転車との良い思い出を心に刻んでほしい]
(1)博物館便り
先週末から当館主催の最大のイベント「夏休み こども絵画コンクール」が例年通り始まった。しかし今年は展示が全く変わり、中央の大きな通路がなくなって、両サイドの通路が出来た。狭い通路に子供達が画板を広げると、一般見学者が通りにくい。
いろいろ考えて、ホームセンターで棚板と万能台を30セット程を購入して、子供達に座机として使ってもらうことにした。また座机を展示スペースに置ために、展示車も3台を1階に、3台を2階の別の場所に移動させた。 幸いにして子供達も喜んで使ってくれているし、見学者が通れるだけの通路も一応確保出来ている。

07.7-5.jpg座机を使って写生する子供たち







(2)通勤サイクリング
先週は富士見パノラマリゾートで開催されたシマノバイカーズフェスティバルに行き、久しぶりに山の中をマウンテンバイクで走ってきた。
7月下旬という暑い時期に高原の林の中を、きれいな空気を思い切り吸って、気持ちの良い汗をかいて「里山グルメツーリング」のお世話係を担当した。7月20日にコースを確認するための全コースの試走。
21日(土)は約60人、22日(日)は約120人の参加者があり、私は女性や子供達が中心の初心者対象のスクールを実施したあと、アップタウンの少ないコースを選んで走ってもらった。脚力のある人はオプションコースという、距離と難度の高いアップダウンが激しいコースに挑戦していた。
スタート地点で7歳の男の子に会った。お母さんが連れて来て「この子は1人で参加するので、よろしくお願いします」と言うのだ。
私は大丈夫かなと思っていたが、それは杞憂に終った。その子は物怖じすることなく、大人にも話しかけ、また同世代の子供ともすぐに打ち解けて友達になっていた。実にしっかりした子供で、私が7歳の頃にこのような事が出来たか疑問だ。皆そうではなく、両親と共に参加している女の子は、少し転んで泣き出した。たいしたすり傷でもないが泣き止まないので、私は持参した消毒スプレーで傷口をきれいにしてやると、機嫌を直してまた走ってくれた。自分が主人公でいたい年頃なのだろう。こんな子供達がこのマウンテンバイクのイベントでの、良い思い出を心に刻み、自転車が好きになって、大人になっても乗り続けてほしいものだ。(中村博司)
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2007年07月19日

★2007年7月第4週

[ 7月22日 遠いツール・ド・フランスの思い出]
(1)博物館便り

10日程前に、約100年前の英国ラレーの前キャリアがついた運搬用自転車の寄贈を受けた。昨年9月末にも横浜の方から、約80年前の英国ラレー車の寄贈を受け、これは現在「昭和の自転車」展に展示中である。
今回の自転車は、錆の発生が前泥除けと車輪を中心に全体に広がっていて、かなり手を入れてやらないと展示は出来ない。しかし前のキャリアは、トップチューブとシートチューブから出たアームでしっかり作られていて、手を入れればまだ乗れるだろう。サドルもオリジナルの金具(ベースとスプリングのみ)も同梱されていた。皮部分は痛んで捨てられたようだ。
この自転車は徳島の方からの寄贈だ。実は徳島の四国放送というテレビの「おはよう とくしま」の中で当館が紹介され、この番組を見た方から電話をいただいたのだ。徳島の骨董店から購入したが置場所に困り、破棄する寸前だった。この自転車は阪神大震災の時に出てきたものが、徳島で売られていた経過があるようだ。手離さざるを得なかった元の所有者の思いも考え、大事に保存し、また展示したいと思う。
07.7-4
約100年前の英国ラレー運搬車 






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100年前と考えた根拠は、このチェンにある。幅が広く頑丈なチェンは1900〜1920年頃使われた。






(2)通勤サイクリング
ツール・ド・フランスはハイビジョンの生中継で放送されるようになって、風景とレースシーンの迫力が一段と増している。そのツールの現場に34年前、私はいた。シマノのレース用部品が誕生した1973年に、私はその部品が使われるレースの事情や改良の課題についてレポートするためにヨーロッパに派遣された。
派遣された先は、ベルギーのフランドリアという強力なチームで、今で言うとロットチームのようなスプリンター中心のチームだった。
彼らはフレミッシュと言うベルギー語を使い、私は英語であり、コミュニケーションでも苦労した。
当初はスポンサーから来たゲストという待遇を受けたが、それでは事情がよくわからない。私はメカニックの手伝いをするようになった。
その場所で何が起こっているのか、自分の目で確かめることでレポートするしか道はなかったのだ。
メカニックの仕事は遅いが、真面目に仕事をする日本人として、ツール・ド・フランスに参加する3人のメカニックの1人に入れてもらえた。たぶん私は「ツールにチームの一員として参加した最初の日本人」と言えると思う。
ツールは選手にとっては、世界で最も過酷なレースと言えるだろう。しかしそれはチームのメンバーや主催者、報道関係者にとっても同様だ。いや昔は、レース用車は普通のロードレーサー1台でタイムトライアルも走ったが、今はタイムトライアル専用車や装備を用意するので、より多忙になっているはずだし、報道陣はデジタルカメラの普及で、その日のうちに新聞社等に写真を選んで送る作業があり、大変だと思う。
当時の思い出を1つだけ書いてみよう。
ある日のレースが終った街と、後日スタートする街が500km程も離れていた。レース終了後3人で、選手の自転車を自動車に積んですぐ、明日のスタート地点へ走り出した。
選手は列車で移動したが、私達の到着は10時か11時頃だった。
ホテルでは食事時間が終っていて、食事が無く、街角のフライドポテトを腹に入れて、ホテルのガレージで自転車を洗い、整備にかかった。
何時に作業を終えたか記憶にないが、疲れきってシャワーも浴びず寝て、朝は早めに起きて、レース車をホテルの前に揃えて空気を入れた。レースが始まると第2メカニックカーにもう1人の若いメカニックと2人でレースを追走する。
第1メカニックカーは、監督とチーフメカニックが乗っていて指示を出す。第2メカニックカーは集団後方で待機する事が多いが、アシストが逃げ集団に入ると、時にはその集団の後方で走ったこともあった。
有名なガリビエ峠の30kmの登りを、長い長い選手と車の行列の中でメカニックカーを運転した。
遠い遠い夏の思い出である。(中村博司)

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2007年07月13日

★2007年7月第3週

[ 7月15日 時間と心に余裕を持って自分の身体は自分で守る]
(1)博物館便り
先週は当館で実施している自転車初心者スクール(乗り方教室)の勉強会を開いた。
このスクールは毎土曜日と奇数週の日曜日に、自転車に乗れない方を対象に自転車の乗り方を無料で行っている。
年間の受講者は約1,400人で、受講者の多くは5〜6歳の幼児である。1日の講習で70〜80%の人が自転車に乗れるようになる。この受講者に講習後、アンケートに書いてもらった内容を分析、検討し、今後の講習に役立てたいと思っている。
難しいのは、子供達に接する態度である。ある人は「もっと子供を叱って下さい」と言うし、ある人は「子供に対する言葉がきつい」という声もある。こうした声に対しては「本当に子供のために考えて励まし、悪いことに対しては叱るという信念を持って接することが大事である」と思う。またアンケートには出て来ない話だが、子供達がまた右や左といった言葉が十分に理解できていないという話もある。練習中に子供に「ブレーキをかけなさい」と言っても、ブレーキとは何かを講習の前に教える必要がある。さらに子供の弱い握力ではブレーキをしっかりかけることも出来ない事情もある。こうした事に対し、とにかくブレーキワイヤーを真新しいものに交換することにした。私達が子供達に対し、出来るだけの事をやろうという事になった。
これからは暑さが厳しくなる。特に気温の高い中で、こうした子供達に1日かけて乗り方の講習を行うためには、細心の注意が必要だ。それで日本体育協会が出している「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」の内容を引用して「体温調節の基礎知識」「熱中症の病型」「熱中症の応急処置」について勉強会を行った。
07.7-3.jpg自転車乗り方教室の教習







(2)通勤サイクリング
梅雨の中を泥除け付のサイクリング車(スポルティーフ)で走っている。小雨ならレインジャケットも着用せず走ると、本当に涼しくて気持ちがいい。しかし路面が濡れているのでスピードを落とし、安全運転だ。
しかし一般の人にこの事を言うと「雨の日も自転車で通勤ですか」とビックリされる。この落差はどこにあるかと言えば走り終わったあとにあるのではないかと思う。一般人から見れば朝に雨に濡れたら1日中濡れたままいるという感覚なので、私の事をビックリするようだ。私は30〜40分走って濡れたら、全て着換えるのである。
雨の中を走っていると、以前よりカッパを着て走る人が増えたが、殆どの人が傘をさして走っている。私のような傘もささず、カッパも着ていない自転車利用者はほとんどゼロだ。変人に見えているのかもしれない。 そうは言っても雨の中の走行は楽しいものではない。また自転車は路肩部分を走ることになり、側溝の上にはめられた金格子の板の上は雨のため滑りやすくなるので、とても気を使う。
自動車からも自転車の存在に気付きににくい面もあり、安全面から考えるとマイナス要因ばかりが目立つ。さらに夜で暗くなるとその危険度が増すので、私は雨の夜道を自転車で走ることは避け、自動車や公共交通機関を利用する。結局自分の身体は自分で守るしかないし、相手が100%悪くても事故を避けられるように細心の注意を払って、時間と心に余裕をもって走りたいと思う。(中村博司)
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2007年07月06日

★2007年7月第2週

[ 7月8日 7月はツール・ド・フランスの季節]
(1)博物館便り
先週、日本経済新聞出版社から韓国語版「大人のための自転車入門」が届いた。私は言葉が日本語から韓国語に変わるだけだと思っていたが、本のサイズが少し縦長になったり、表紙の色が白から青色に変わり、イラストの位置も変わっていた。中身の写真等も入れ替わっているようだ。特にクレームをつけるつもりも無いが、少々驚いた。
韓国ではスポーツサイクルが盛り上がっているようだが、日本でもスポーツ車に対する関心が高まってきたようだ。特に東京方面の動きが活発のようだ。それは、私の著書「大人のサイクリングビギナーズ」を3月20日発売したのだが、4ヶ月で完売になり、第2版が決定したと聞いた話から来る。
この本が好評に売れた理由として聞いたのは、従来の入門書は「買ってもらうための入門書で、いわばニューモデルのカタログ」であった。しかし私の著書は「乗ってもらうための入門書」である。しかも自転車の世界をロード、マウンテンなどと狭くせず、「視野を広くとっていた」ことが評価されているのではないかとの事だった。
私も「この本は私のバイブルです」とお便りをもらったり、「中身が濃い本だ」とのコメントをもらっている。
確かに一度目を通して二度と見ない本が多い中で、私の本は多分、自転車に乗る経験を積むなかで何度も読み返したくなるだけの中身を入れたつもりである。この本の巻頭で、私の45年間の知識と経験を伝えたいと書いたとおりである。 そう思っても、実際に評価されなければ本は売れてくれないわけで、今回の第2版は嬉しいの一言につきる。
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日本語版「大人のための自転車入門」






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韓国版「大人のための自転車入門」








(2)通勤サイクリング
先週は2度もパーティー(飲み会)に出席する機会があり、帰路は当然電車や車で送ってもらって帰宅した。
さらに朝の出勤時で、雨の中の走行が2度あり、安全のため低速の安全走行だった。
この時期の雨は寒くないので、レインコートも着ずに走っている。少々の雨ならコートを着て汗だくになるより気持ちがいい。ただ博物館に隣接する大仙公園の中を走ってクールダウンする時、タイヤが地道を走った時、泥で汚れるのは好きではない。
そうは言いながら、梅雨が来ない事には稲、野菜も育たないし、夏に備えてダムの貯水量も増えてくれないと水不足にもなる。そんな自然の中で私たちは暮らしているのだが、エアコンの効いた住居と仕事場、それを結ぶ自家用車での通勤だと、日本の四季の変化と営みを体感する事は出来ない・・・。そう思うと、自転車で通勤する意味がよりポジティブに思えるのです。
7月はツール・ド・フランスの季節でもあります。昨今のドーピング疑惑で有名選手が出ず、少々興ざめな面はありますが、フランスの美しい自然の中での色とりどりの美しいジャージを着た選手の熱き戦いは、誰が見ても美しく感動的です。ただ生中継のテレビに釘付けになり、寝不足にならぬよう皆さん(私も)気をつけましょう。(中村博司)
posted by bikemuse at 16:48| カテゴリ無し | 更新情報をチェックする