(1)博物館便り
久しぶりに、また柄にもなくと言われそうだが、関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるクラシック音楽のコンサートに行ってきた。印象に残ったのは、ヨハン・シュトラウス2世の皇帝円舞曲とエルガーの行進曲「威風堂々」第一番だった。
当館の保有する19世紀に作られた自転車は「クラシック自転車」と呼んでいるが、上記2人のクラシック音楽の作曲家も、自転車が生まれ発達していく時代に活躍した人達だ。
ヨハン・シュトラウス2世は650年続いたハプスブルグ家の本拠地ウィーンで1825年に生まれ、1863年から1870年まで宮廷舞踏会の指揮者であり、生涯の多くをウィンナワルツの作曲に捧げて「ワルツ王」と評された。音楽も自転車も、その時代、その場所で必要とされたものが生まれている。という事で共通している。
エドワード・エルガーは1857年にイギリスで生まれ、独学で音楽を勉強し、32歳の時に陸軍少将の娘と結婚して、軍人の親族たちと親交を持ち誇りを感じていた。1901年にこの行進曲「威風堂々」は初演され、国王エドワードで7世に絶賛され、今日のイギリスにおける「第2の国歌」と親しまれている。
今回のコンサートの指揮をとった、このオーケストラの首席指揮者である藤岡幸夫氏は英国王立ノーザン音楽院大学に学び、マンチェスター室内管弦楽団の首席指揮者をつとめたが、エルガーの曲の指揮はなかなか任せてもらえなかったと述べていた。
19世紀はイギリスが世界の海を支配し、植民地を持った最も輝いた時代であり、その支配は世界最強の英国海軍によって支えられていた。そうした英国の軍隊を世界へ送り出し、また凱旋の時に必要な音楽として威風堂々は生まれてきたと思う。またオーディナリーからセイフティーへ、自転車の発達は当時の英国の技術力、経済力をなくして考えられない。クラシック音楽はそうした時代を背景に生まれ、発展し、現在は人々に心の豊かさとエネルギーを与える文化として認められている。自転車も全く同じなんだ。そんな事を考えながらクラシック音楽を楽しみました。それを教えてくれたのは関西フィルハーモニー管弦楽団の事務局長さんと指揮者の軽妙なトークでした。トークのあるクラシックコンサートは初めてで、とても新鮮だった。
(2)通勤サイクリング
今週に入って雨が多い。冬の雨は体が濡れて、冷えると風邪の原因にもなるので好きではない。しかし来客の時間もせまり、雨の中を、目立つオレンジ色のレインジャケットを着て安全に走り、体が暖かい間に素早く着替えをする。
泥除け付きの自転車は雨天ではとても有効だ。
私は通勤用自転車として4台の自転車を保有している。2台の泥除け付き雨天通勤車で、サイクリング用の車種分類で言うと、1台はラントナーで、1台はスポルティーフだ。また通勤ロードバイクも2台で、1台はカーボン製とクロモリ製が1台ずつである。
自転車専門月刊誌「ニューサイクリング」から増刊号で、マニアの保有する自転車の特集号を出す予定で、しかも「然るべき方々にお願いして質の高い増刊号の発行を目指したい」との事で、私に協力依頼が来た。名誉なことなのでお受けし、@ロードレーサー A通勤用ロードバイク B雨天通勤用車 Cツーリング用マウンテンバイク D市内移動用車 を紹介するため、撮影した。 今回は通勤車の2台を紹介します。(中村博司)

