(1)博物館便り
先週は今年2月第3週の毎週日記に書いた自転車研究会に出席した。はや5回目となり、今回が最終の研究会となる。
今回のプレゼンテーションの1つは「自転車と観光の連携」を、開TB首都圏交流事業推進室の高知尾昌行氏からあった。発表によれば、毎年首都圏で5億3千万人もの人が観光目的で移動しているが、JTBが関わる比率は少なく、首都圏に住む人との「観光・旅」を主軸にした交流事業を推進して「持続可能な」JTBの事業の柱にするというものだ。昨年12月にスタートした事業の内容は、パナソニックの電動アシスト自転車を観光・環境・健康をキーワードに、保険と点検をパッケージにしてリースするというものだ。点検はパナソニックを扱う自転車販売店に委託している。これなら自転車を導入する初期投資も保守点検という面倒な自転車の安全点検を心配することなく、観光業に自治体や観光関係会社も手軽に導入できるわけだ。誠によく考えられたやり方だと感心した。
もう一つのプレゼンテーションは、研究会の委員でもある津田美知子氏から「自転車レーンの展望」と題した発表があった。
歩道上での歩行者と自転車利用者との事故が急増しているが、国交省のガイドラインでは、交差点では自転車を一度歩道に上げて安全確保できるというものになっている。しかしこれでは歩道上の事故はさらに増加するので、オランダやデンマークで行われている、車道上に自転車通行帯を明記して、青信号でまず自転車を通してから自動車が遅れてスタートするなど配慮が必要というものだった。私も全く同感で、これだけ国際交流が進んだ世の中で、日本だけが特殊な交通ルールを作るのは無理がある。
外国人観光客が日本で安全に自転車観光する。日本人観光客が海外で自転車を使って観光するのは、ますます増加するのは間違いない。
日本だけで許されている歩道通行や、一方通行の逆走は海外では禁止されている。早く国際標準に日本も是正しないと、交通ルールにおいて日本の孤立が深まってしまうのを心配している。
今週の当館の展示車は1884年にイギリスで作られたコベントリーロータリ三輪車である。
大きな車輪で駆動し、手前の小さな2つの車輪で操舵する。自動車の世界では、現在も使われている四輪操舵だが構造は同じで、前輪が左を向けば、後輪は右を向くことで小回りが可能になる。
この三輪車も、片手でハンドルを回輪させ、ラック&ピニオンを使い、前後の車輪が異なる方向を向くように作られている。125年前に製品化されたこのアイデアと仕組みは本当にすごい。


(2)通勤サイクリング
最近は研究会の出張等で自転車に乗れない日が増えるうえ、出張に備えて資料をデイバッグに積めて走る日が多い。
体が窮屈で、体も自転車も重く、全く調子が出ない。今日は久しぶりに荷物なしで走った。腰を上げてのダンシングで軽快に坂を上るのは本当に気持ちがいいですね。
荷物を持たず、ロードバイクで快走するのが私の最高の自転車の喜びです。(中村博司)