2009年08月28日

★2009年8月第5週 

[ 8月30日 理想のペダリングを求めても現実は・・・難しい。]
(1)博物館便り
先週は日本自動車教育振興財団の研修に協力した。
学校の先生方を対象に、自転車の交通安全を主な目的にしたセミナーは3〜4年に1度実施している。
当館での2回目の研修である。
自転車を活用したまちづくりに関する1時間半の講演を依頼された。
午前10時10分より11時40分まで「人と自転車の新しい関係を育むまちづくり」と題して講演をした。参加者は20人と当初の予定より少なくなった。 新型インフルエンザで休校した学校の夏休みが短くなった事情がある。
午後に当館を見学していただいて、そのあとクラシック自転車のレプリカに試乗してもらい終了した。
講演資料は昨年、種子島で行った時に作っていたパワーポイントのものが、ほぼ使えた。
講演は話をする時間の10倍位の準備が必要である。私も幾通りかの資料を作ったものを保存している。しかし変化のスピードが速いので、こうした資料はどんどん改訂する必要がある。ここ1〜2年にパリやバルセロナ等で実施されたヴェリブやスマートバイクというコミュニティサイクルの普及が著しい変化だ。
今週の展示車の紹介は、フランスのディジョン市で1919年に作られたテロー社の3段の外装変速機を装備したモデルである。
変速ギアは車輪の内側に16T、中央に20T、外側に18Tのギアを配列し、この3枚のギアが左右に動いてチェンはねじって使わず変速する仕組みだ。
この会社のポスターは、女性でもこの自転車に乗れば楽々と坂を上れるという図柄を採用している。
09.8-5.jpg1919年製テロー

09.8-5-1.jpg変速機のメカニズム

(2)通勤サイクリング
関西は先週末は急に涼しくなった。昼間は晴れれば気温は上昇するが、朝は確実に涼しい。ある朝などウィンドブレーカーを着用して走り出したくらいだ。
先日脚をマッサージしてもらう機会があった。そして私の右脚に比べ左脚が細いと指摘された。
10年位前に左脚を痛めて治療した事があり、それ以来左脚を右脚で補う走りをしてきた結果だろう。人間の体は左右対称に出来ているが、顔も含め左右全く同じものはほとんどないように思う。私の腕も右利きである事から明らかに右腕が太く左腕は細い。長さも少々違うように思う。
そう考えると脚の太さが少々違っていても心配する程のものではない。
ただ自転車を真直ぐ走らせるために左右のペダルに同じ力を加える事が必要だという私のペダリングの考え方に変わりはない。しかし私の乗る自転車のタイヤの跡は、右への蛇行が左より大きいことになるのだろう。理想のペダリングをイメージしてもそれが出来ないのが現実なのですね。(中村博司)

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2009年08月22日

★2009年8月第4週 

[ 8月23日 夏の終わりを告げるセミ]
(1)博物館便り
自転車博物館の収蔵品のリストを制作中である。博物館のコレクションの基本は、オランダより購入した140台のクラシック自転車だが、それ以外にも多くの自転車がある。その多くは私が集めたものである。
私がシマノから博物館へ着任して13年が過ぎた。この13年の間にたぶん100台位は増えていると思う。
寄贈いただいたものが多いが、毎年テーマを決めて行う特別展のために必要な自転車は購入してきた。またお預りしている自転車も数台ある。中野浩一氏の世界選手権10連覇を成し遂げたNAGASAWAは長沢義明氏より10年位前から借用している。
これらの自転車を1台1台写真を撮り、スペックを調べ台帳を作っている。こう書いてみると簡単だがそうはいかない。収蔵庫の自転車は天井からぶら下げている。その下にはクラシック自転車を置いている。下にあるクラシック自転車を避難させて、脚立を立てて、2人がかりで1台ずつ自転車を下に下す。10kg〜30kg位の自転車をしっかり支えて行うが、集中力と筋力が必要で、すぐに汗だくになる。
自転車の撮影は毎回20台ずつやるが、この準備、撮影、スペック調査を終えてからまた天井に戻すのに3〜4日は必要だ。自転車にはコード番号をつけて、終了した自転車にカードをつけて同じ自転車を再度撮影しないようにもする。
名刺大の大きさに写した自転車の写真コード番号を入れている。もし貸出す時はこのカードを残しておけば、いつどこへ貸出したかも分かる。またこのカードは自転車を傷つけないよう、前車輪のスポークに装着している。
今週の展示車は1896年にイギリスで作られたローバーである。ローバーは1885年に初めて作られ、現在の自転車の始まりと言われている。
前後輪が同じサイズでダイヤモンド形の車体をしているのだ。当館には残念ながら1885年製はなく、1896年製を展示しているが、子供を乗せる台がついて、その子供が足を置く工夫もされている。
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(2)通勤サイクリング
立秋も過ぎて、朝夕の空気が少し冷えてきた。もうすぐ夏の終わりを告げるセミ「ツクツクボーシ」が鳴くだろう。朝夕が涼しく快適に走れる季節が近くなってきた。先日は私の生まれ育った京都へ行き、お墓参りをしてきた。私の実家は嵯峨野といわれる所で、今では観光地になってしまったが嵯峨野の奥は昔は化野と呼ばれた。京都の三大墳墓地の1つである。
化野念仏寺の少し手前に私の墓地がある。三大墳墓地は東山にもあり鳥辺山と呼ばれた。そこには大谷本廟があり、妻の実家の墓地がある。
例年は酷暑の中の墓参りなのだが、今回は少し涼しく、また円山公園で名物の「いもぼう」で昼食をした。
300年伝わる海老芋とぼうだらは、じっくり煮込まれ、緑につつまれた座敷でゆっくり味わえました。

(3)新刊の紹介
チクリッシモNo15が発行された。
ケーブルTVで熱戦を見たツールの記憶が蘇ります。
アームストロングとコンタドールのバトル?しかし何と言ってもカベンディッシュのスプリント。新城選手、別府選手の熱い走りの写真と話題の人へのインタビュー記事は面白かった。(中村博司)
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2009年08月16日

★2009年8月第3週

[ 8月16日 デンマークの自転車政策を日本で生かしたい]
(1)博物館便り
8月7日に「サイクルスクエア 北参道」で開かれた「自転車先進国デンマークの現状と未来」と題した講演に出席した。
「サイクルスクエア 北参道」は日本自転車普及協会が、7月17日から来年の1月17日まで6ヵ月限定で自転車の情報やサービスを提供するため開設した。JRの代々木駅、千駄ヶ谷駅から徒歩5分と大変便利な場所にある。
講師はデンマーク大使館のイェンセン商務官で30歳位に見えた。コーディネーターの絹代さんのテンポの良い質問に、イェンセン氏が上手な日本語で答える形式で約2時間の講演がすすんだ。
1970年頃から自転車を交通機関として認めて、走行空間を確してきた。それは政府として医療費の削減等に大きな効果があったとの事だ。
童話で有名なアンデルセンが生まれたオーデンセという町では、自転車が乗り易い町に4億円投入したら、病気になる人が少なくなり、6.6億円削減できただけでなく、4年間で男性の寿命を5ヵ月も押し上げたという報告にも驚いた。
個人主義の国であるデンマークでは人と自転車には利用空間という権利を与えるが、義務もあり、赤信号で渡る歩行者、自転車に対し警察はその場で罰金を取るとの事だ。あいまいな国日本との国民性の違いという障壁もある事を教えられた。
今週の展示車の紹介は1887年にイギリスで作られた安全型自転車である。
初期のダイヤモンド形のフレームを採用している。当時のチェンは今よりはるかに伸びが速く起こったようで、クランク軸の部分でチェンステーを長くして、チェンの張りが調整出来るようにしている。

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イェンセン氏と絹代さん。テンポの良い質問にイェンセン氏の楽しいトークでした。

09.8-3.jpg
初期のダイヤモンド型フレームを使う安全型車

(2)通勤サイクリング
雨天が2日程続き、雨天通勤用スポルティーフで走る。
自転車で走れるのはOK。少々雨の中を走るのは、今の時期は涼しいと思うようにしている。しかし・・・やっぱり靴がぐちょぐちょになるのは好きになれない。道路の左端の水溜まりを走るのも好まない。
そしてやっと快晴の朝が来た。腕を薄いウォーマーをつけて日焼対策をして、今日はロードバイクで走れる・・・。それだけで嬉しい。また長袖のジャージーを濡らして着用して走ってみた。ただ濡らしてから着ると腕がうまく通らないので、着用してから濡らす方が速くできます。(中村博司)

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2009年08月08日

★2009年8月第2週 

[ 8月9日 日焼対策、熱中症対策を十分に]
(1)博物館便り
この毎週日記を始めたのは2004年8月1日であった。実は先週の毎週日記は、6年目に突入した記念号だったのだが忘れていた。
毎週1回を1年間に約50回位、日記を書いているので、250回もの日記を書いた事になる。
「よく毎週書く事がありますね!」と感心されることもある。確かに書くネタは常に探している。しかし博物館便りでは、自分から仕事に取組めば何か書くネタはある。
通勤サイクリングにしても、自転車に乗って通勤していれば、季節、天候など自転車でしか味わえない感動、驚き、苦労といったものとの出合いがある。乗らなかったら書けなくなるが、乗っている間は必ずあるはず・・・と考え、息切れしないよう継続したいと考えている。
今週の展示車の紹介は、クリッパー三輪車です。1890年にフランスのプジョー社によって作られました。
イギリス人クリップスが1886年にスピード記録を出した時のモデルである。クリップスにちなんでクリッパーと呼ばれています。
09.8-2-1.jpgディファレンシャルギアを装備し、コーナーもスムーズに走れるレース用三輪車である。

(2)通勤サイクリング
近畿地方も8月3日(月)に梅雨明け宣言が出た。観測史上最も遅い梅雨明け宣言との事だ。
平年より15日遅く、8月に入っての梅雨明けも2003年に続き2回目だったそうだ。
梅雨明けは一応歓迎だが、本格的な夏の始まりであり、8月3日の大阪の最高気温は34度まで上昇した。
日焼対策、熱中症対策を十分にして楽しく自転車に乗りましょう。
7月末にあるカード会社の会員誌から自転車特集をするので「対談」をしてほしいと要請があった。対談の相手はドイツ文学者でエッセイストの池内紀氏である。
自転車の世界で生きている私にとって、全く別の世界にいる方との話は、接点をどこにするかなど不安はあるが、サプライズも期待できると思い引き受けた。一応池内氏の著作「ゲーテさんこんばんわ」「ドイツ 町から町へ」の2冊に目を通した。対談場所は、私からOVEを提案した。
私は池内氏に「なぜドイツで自転車が生活に受入れられ、ドイツ人の旅行好きはどこから来るか」と質問を投げた。池内氏は「相互に監視の目がある個人主義の地域社会から、時折自由になる手段が旅であり、自転車もその1つの有効な道具ではないか」という回答であった。異なる考え方を知る事は楽しいですね。(中村博司)
09.8-2.jpg東京の南青山3−4−8にあるライフクリエーションスペースOVEで池内紀氏と対談した。
撮影協力:佐藤謙司様

posted by bikemuse at 14:27| カテゴリ無し | 更新情報をチェックする

2009年08月01日

★2009年8月第1週

[ 8月2日 自転車の写生に来る子供達で大賑わい]
(1)博物館便り
当館は毎日子供達とその保護者の方々が大勢写生のために来館し、大賑わいである。
当館の夏休みこども絵画コンクールに、昨年は32,913作品もの応募があった。このコンクールには3つのテーマがある。
@人と自転車の生活風景 A博物館内自転車の写生 B夢の自転車で、テーマAを描くために来館するのだ。しかしこの写生のテーマの応募作品数は2,988点で、生活の7,052点、夢の22,873点に比べ少ない。しかしわざわざ博物館まで来て写生をするという親子の意欲の高さで熱心に描くので、表彰作品は他のテーマに比べて多い。
今年もどんな素晴らしい作品が応募されるか楽しみである。
09.8-1.jpg館内で熱心に写生する子供達


さて今週の展示車の紹介は1885年にイギリスで作られたラッジ安全型自転車です。
この自転車は1983年にイギリスのラレー社より、この自転車博物館を創ったシマノの2代目社長だった島野尚三に贈られたものだ。前輪が大きく速く走れるが止まれない危険なオーディナリーが全盛の頃に、ハリー・ローソンが1879年にチェンを使って後輪駆動する安全型自転車を発明した。ローソンはこの自転車にフランス語で「ビシクレット」と名前をつけたことからBicycle(自転車)という呼び名が生まれたとされる。
ローソンの自転車はオーディナリーの影響で@前輪が大きく、後輪は小さかった。Aハンドルを握る位置もサドルのすぐ前に設けるため、ハンドルと前フォークを2本の鉄のロット棒で動く仕組みは今回の自転車と同じで、ローソンの考えた自転車の特長をよく現している。
09.8-1-1.jpgハンドルから伸びて前輪を動かす2本のロット棒に注目して下さい。

(2)通勤サイクリング

8月に入ったというのに未だ梅雨明け宣言はない。 九州は梅雨明け宣言があったはずだが、中国地方も含め豪雨で多大な損害が出ており、心が痛む。
関西地方は豪雨被害というニュースは他の地方に比べ少ない。
私も雨に降られれば泥除け付通勤車で走っている。先日も雨の中を、少々暑いのでレース用パンツで走り出した。
車道の左端を走るが、水溜まりが多い。後方から車が接近していなければ避けて走るが、水溜まりの中を走ることもある。生ぬるい雨水で脚や靴が泥だらけになる。
博物館に着いてトイレにある大きなシンクで脚を洗った。しかし、しかし汚れがとれない。油が混ざっている泥水なので、水だけでは洗い流せない。雨の日に走る時はやはり長いパンツが良いのでしょう。でも寒い雨の中を走るのと比べると涼しくて天国です。(中村博司)

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