2009年12月23日

★2009年12月第4週 

[ 12月27日 年末年始は12月24日(木)より1月4日(月)まで休館日です。]
(1)博物館便り
2009年が終わろうとしている。あなたにとって2009年は思い出深い年になったでしょうか?
心に残る大きな事もなく、あっという間に過ぎてしまったという方は幸せな年であったという事だと思います。私も幸い大きな不幸にもあうことなく平穏に過ごせたようにも思いますが、その時その時は大変だったようにも思います。
2009年の年始に5つの目標を立てていた。その評価と共に私の今年の10大ニュースを述べてみたい。
@博物館資料の整理とデータの蓄積という目標は、一応完成車という分野では、ほぼ整理は完了した。それぞれの完成車のスペック等は進んでいるが、まだデータ化は出来ていない。部品の整理と共に来年の課題になる。
A博物館の利用者数については9万人を超える計画を立てたが、8.5万人で足踏みになってしまった。
各種イベント(絵画コンクール、こんな自転車欲しかってんコンテスト)は順調に推移したが、肝心の入館者がマイナスになっている。2年前の展示のリニューアル効果が終わり、インフルエンザの休校等で学校団体の利用が減少したのだ。
B自転車活用社会の推進については、ツアー・オブ・ジャパンが当博物館のある大仙公園周回コースに変更になり、市民に楽しんでもらえるレースイベントとして開催され、成功した。また4月には堺市の建設局の中に「自転車のまちづくり推進室」が設けられ、行政の側でも体制が整備されてきた。
私も今月第一週の毎週日記で報告したように、公開講座「堺・南大阪地域学」で講演して、自転車活用社会の実現を訴えた。
C年間8,000kmの走行距離を目標としたが、これはほぼ達成の見込みである。
D今年のレースの目標は、マスターズの連続入賞とツール・ド・おきなわの完走だったが達成できなかった。
マスターズではエントリーを忘れる失敗をし、おきなわは11月の第3週で報告したような理由で完走できずに終わった。

今年の結果は2勝2敗1分けといったところか。
勝敗で判断するのも変だとは思うが、目標を立てて評価し、問題点、課題を明らかにするのが、この目的である。
<今週の展示車>
アメリカ人が最もノスタルジーを感じる自転車がこのクルーザーで、1950年頃作られたものです。
1930年代に作られたエクセルシャーという名前のクルーザーを使って、ゲーリー・フィッシャーが15段変速と強力なブレーキを装備したのが、マウンテンバイクの誕生となったのです。
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(2)通勤サイクリング
私の今年の10大ニュースを紹介したい。
@定年退職 :今年3月にシマノを定年退職した。契約社員として仕事は従来通り続けている。
A著作発行 :今年6月に日経新聞出版社より「自転車で健康になる」を共著で出した。
B自転車研究会 :今年2月〜6月まで5回の自転車を活用する研究会に出席した。
Cツアー・オブ・ジャパンへの協力 :泉北のコースから大仙公園に変更するにあたり、周辺の道を走り、歩き、調査して、コースの案を作り検討しUCIの関係者、ツアー・オブ・ジャパンの関係者に説明した。
Dひろば改修 :当館が管理運営する自転車ひろばを平成12年以来、8年ぶりに走路の表面の改修工事をした。
E収蔵庫の整理 :収蔵自転車の整理と調査をしました。
FNHK「おしゃれ工房」出演 :この番組への出演は3回目だが、25分番組2本を収録するのに5日間を要した。
Gフォーラム堺学講演 :「日本の自転車文化首都を目指して」をタイトルに、12月に800人に対し講演した。
H毎週日記5周年 :2004年8月にスタートした毎週日記が休まずに5年続いた。これだけ長くやっていると、Yahooで「毎週日記」と検索するとトップに出てくる。
I立命自転車部60周年 :私が自転車の世界に入るきっかけになった自転車部が、創部60周年を迎えた。式典には私もOB会長として出席した。
09.12-4-1.jpg3月20日のシマノ創立88周年の式典で、ステージに上り定年退職のメンバーと共に花束をいただきました。
以上私の10大ニュースでした。(中村博司)

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2009年12月19日

★2009年12月第3週

[ 12月20日 交通ルールを守るのは自分の安全のためだ]
(1)博物館便り
本格的な冬が来た。マウンテンバイクの季節が来た。先週末には堺でも雪が舞った。
博物館イベントは各種あるが、自転車に乗ることを楽しむイベントは3種ある。 @自転車で10〜20km程度「遊び」として走る自転車散歩 A自転車で20〜40km程度「スポーツ」として走る健康サイクリング Bさらに上級を目指す人のため行う自転車ライフセミナーは3つの異なるジャンルを行う。
4・6・8・10月に4回行うパンク修理や手入れを教えるセミナー。5・7・9・11月に4回行うロードバイクセミナー。12・1・2・3月に行うマウンテンバイクツーリングである。
冬にマウンテンバイクツーリングを行うのは、自然の中に入るため蜂やマムシが冬眠している時期だからである。未舗装の道の草が枯れて走り易いことや、転倒しても厚着しているのでケガをしないこともある。また何より未舗装路でスピードが出ない分風が少ないので、暖まる効果もあるのだ。
12月と1月は1時間程度ライディングの基本を学んでもらうための講習も予定している。そのあと川沿いの未舗装路を10〜15km程度走る予定だ。皆さんの住む地域にもそんな道はありますから、ロードバイクにはない別世界のマウンテンバイクの魅力を発見して下さい。
09.12-3-1.jpg昨年のマウンテンバイクツーリングの模様
<今週の展示車>
志村精機製作所という会社が作った、たぶん日本初の折畳自転車である「ロードパピー」である。この自転車のサドルには「Made in Occupied Japan」の表示がある。1956年に日本は連合国とサンフランシスコ平和条約を結んで、第2次世界大戦後の占領から解放されたが、このサドルはそれ以前に作られた事を示している。15〜30秒で折畳めるが、重さは15kg程におさえられている。
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1950年頃作られたロードパピー号

(2)通勤サイクリング
12月に入って、私も忘年会のお誘いを受けることが多い。そうすると自転車を置いて帰宅する。
自転車に乗れない日が多くなって、博物館の休館日である月曜日に、60kmを2時間半程かけて走った。
コースは自宅近くの7.5kmの周回コースを8回程回った。住宅地の中の広くて交通量の少ない道を走るが、信号はもちろん守る。T字路の交差点を直進する所で信号待ちをしていた。そこへ歩行者が横断歩道を渡ってきて私に声をかけた「「信号待ちしているんですか?」私は一瞬何のことかと思ったが、車が全く通らない時は信号を守らない習慣を持っている人が、バカ正直に信号を守っている私を不思議に思っての発言だと分かった。交通ルールを守ることは自分の安全は自分で守る第一歩なのだがと、考え込んでしまった。(中村博司)

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2009年12月13日

★2009年12月第2週 

[ 12月13日 世界で最初に作られたマウンテンバイク]
(1)博物館便り
先週、めずらしい人からお便りをいただいた。世界で最初にマウンテンバイク(ブリーザー)を作ったジョー・ブリーズ氏からだった。
当館のブリーザーは、彼が作った最初のマウンテンバイク10台のうちの1台をマイケル・ダックス氏から注文を受け作られた。その後シマノ・アメリカを通してダックス氏より購入したものだ。そのダックス氏が当館に来てくれた時に説明パネルの文面が気になってブリーズ氏に話が伝わったようだ。
当館のブリーザーの後車輪を固定する部分にトラックレース用のエンドを使っている。マウンテンバイクは通常ストレート・ドロップアウトエンドが使われ、非常に特殊な使い方である。私も気になって調べた結果、10台のマウンテンバイクの買主の1人が変速機をつけない仕様を注文したので、他の9台はトラックレース用エンドに変速機を取付ける面倒な加工を施したのだ。その事を説明パネルに書いたのだ。しかし重要な情報は、ゲーリー・フィッシャーが作ったマウンテンバイクはシュイン社のクルーザーを改造したもので、ジョー・ブリーズがが作ったものは設計と製作から全て新しく作ったことにある。この点が十分に説明されていない事が気になって連絡をいただいたのである。
ブリーズ氏はこのようにしてはどうかという英文の説明文を送ってくれたので、早速差し換えることにした。
09.12-2.jpg<今週の展示車>
1978年に作られた世界最初のマウンテンバイク(ブリーザー)である。アメリカの大自然の中で自由に遊ぶ・・・アメリカの自転車文化をつくることになった歴史的な自転車だ。
(2)通勤サイクリング
先週は冷え込みが厳しくなって、初めて耳をカバーする帽子とフリースのマスクを着用した。これから本格的な冬を迎える。私も足が冷えるのを防ぐため、SPDシューズの底にある空気穴から風が入らぬよう、穴の開いていないインナーソールに取り換えた。手袋も厚手のものに変更し、寒い日はウィンド・ブレーカーを2〜3枚重ねて着ることになる。お腹にタオルを入れるのを忘れぬようにしよう。お腹が冷えると内臓の調子が悪くなる。手が凍えると安全に重大な支障がある。
用意を周到に、冬を安全に乗りきろう。
(3)新刊の紹介
12月3日にひょっこりと写真家の砂田弓弦氏がレキップの記者の方等と来館してくれた。
その砂田氏の写真集「ツール・ド・フランス、七月の輪舞」が八重洲出版より発行されている。2,500円+税と安くはないが、写真の持つ力とツールを21回も取材し、本当のツールを知る砂田氏のエッセイは、ツールの持つドラマの壮大さと深さを見事に描いた感動作です。(中村博司)
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2009年12月05日

★2009年12月第1週

[ 12月6日 大阪のサイクルモードへ自転車で行ってきました。]
(1)博物館便り
先週の毎週日記で予告した大阪府立大学での公開講義「堺・南大阪地域学T」を行った。1,200人入る大きなホールに約1,100人(市民と学生が半分ずつ)の方に聞いていただく予定だったが、当日は冷たい雨が降り約800人の出席だった。
簡単な自己紹介の後、第一章「今なぜ自転車なのか」21世紀の課題を解決する力を持つ自転車として @健康維持、A環境保全、B観光、C教育について 自転車を使うことで大きな効果が期待できる事を説明した。第二章では「なぜ堺は自転車の町なのか」を古墳時代に巨大古墳を作るため、鉄を加工する鍜治職人が集まって住むようになり、火縄銃が日本に伝わった時、堺商人が職人を集めて火縄銃の大量生産に成功し、明治になって鍜治職人は自転車の修理を行うことを通して大正時代に産業として成立するのである。ここから昭和の時代の自転車が、時代の流れの中でさまざまな種類の自転車が生まれ、消えていったかを説明した。
ここで博物館内で常時上映している「夢・自転車」12分を見てもらい、第三章は「自転車の社会的課題と欧州の自転車活用事例紹介」を行った。不法駐輪、自転車は何処を走ればよいか、交通ルール、自転車を活用する発想と政策の推進として、欧州のコミュニティサイクルと日本のレンタサイクルの違い等を説明した。
最後の第四章として「自転車活用社会を目指して」と題して自転車博物館の活動、堺・自転車のまちづくり市民の会、自転車レーン、自転車道の整備の順に説明した。
最後の締めくくりとして、火縄銃の産業が戦国武将と堺商人の交流の場として茶室が作られ、茶の湯の文化が生まれた可能性がある。茶の湯も自転車も日常生活に取り入れる事で豊かさを感じる生活文化という事で共通点が多い。
自転車産業も欧州の自転車レース文化、アメリカのマウンテンバイクの文化をマーケットに発展し、自転車走行環境の整備を通して安全快適に自転車に乗る事を実現し人々の生活が豊かなものになる。
堺から日本に自転車の文化を成立させたいと話した。
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7kgのカーボンロードをステージに飾って講義した。
<今週の展示車>
1950年頃に作られたサイドカー付運搬車です。
昭和20年代は自動車産業が復興しておらず、物を運ぶ主役は自転車が行っていた。この運搬車も材木店で使われていたものだ。
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(2)通勤サイクリング
11月29日にサイクルモードに行って来た。博物館から15km程の距離しかないが、私の通勤路に比べ信号と大型車が多く、しかも橋を渡るため激坂を何度も上る必要がある。誠に走り難い路だが、南港の居住区は自転車道がかなり整備されている。
サイクルモードの1〜2週間前にこのコースを健康サイクリングで走り、堺市内から自転車で安全に走れることをお知らせするのも悪くないと考えている。
さてサイクルモードである。
博物館で保管するカタログ集めと今後の自転車の新しい傾向を見極めるのが仕事の部分。個人的には最新のロードレーサーに目が向く。
私が今回注目したのはシティースポーツあるいはコンフォートバイクと呼ばれる自転車ライフスタイルを提案する車種だ。私は日本の自転車文化の定着にはこの車種が突破口となって広く日本社会に受け入れられることが大事だと考えている。この車種向きのファッショナブルなウェアの展示も多く好ましかった。
今回特に注目したのはスペシャライズド社のグローブというブランドだ。このブランドは10年以上も継続しているし、目新しくはないが、会社として「ライフスタイルと個性に溶け込むユニークなバイクブランド」として力を入れている。ブースは2つのブロック状になり、スペシャライズドのブランドとグローブのブランドを同じ大きさで作られて、力の入れようが分かる。カジュアルな服装で気軽に街で気持ちよく乗れる自転車はブリヂストンサイクル社からも「オルディナ」、パナソニック社から「SREE」、宮田工業からも「湘南自転車」のブランドで展開されている。ルイガノ社のスポーツバイクが今まで日本で成功しているのは、この種のモデルが消費者の心をつかんだためである。(中村博司)
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スペシャライズド社の展示ブース
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