2010年11月27日

★2010年11月第4週 

[ 11月28日 紅葉の美しい山里を走る。]
(1)博物館便り
先週末に「こんな自転車欲しかってん!コンテスト」の表彰式を行った。今年で3回目を迎え、応募作品は594作品で、昨年の755作品より少なくなった。昨年のテーマは「みんなで使える自転車」=コミュニティサイクルであり、子供達には考えやすいテーマだったが、今年のテーマは「高齢者が安心して乗れる自転車」で子供達には難しかったと思う。
表彰式には後援と堺市長賞、堺市教育長賞の授与のため、堺市と堺市教育委員会の関係者の他に、後援だけいただいている近畿経済産業局の産業人材政策課からも出席があり、来賓を代表して挨拶をいただいた。このコンテストに参加することで子供達が論理的思考、問題解決能力を高めることで、社会に出た時には自信を持って仕事に取組むことを願っている。
来年のテーマは未定だが、参加賞などをもっと魅力的なものにして多くの子供達が参加したくなるコンテストに育てたいと思う。
<今週の展示車>
子供達に自転車の魅力というか自転車の活用を考えてもらうために、環境問題を壁新聞にして温暖化のしくみを分かりやすく展示したパネルです。
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(2)通勤サイクリング
紅葉の季節である。また山里に入ると道は落ち葉で敷き詰められ、自転車に乗る趣味を持っていることに喜びを感じる季節でもある。
今月始めは風邪で走れなかったので、近くの西国三十三ヶ所第4番の札所である槙尾山施福寺と春木川の上流を中心に約50km走った。この道沿いに流れる槙尾川にダムを作る工事が進んでいる。実際に現場を見てしまうと私はこの美しい自然を破壊して作るダムに賛同はとてもできない。
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槙尾山施福寺への参詣口からの下り坂で紅葉を見る。実はこの裏が工事現場である。
(3)新刊の紹介
「シクロツーリスト〜旅と自転車〜」の創刊号である。
年4回の発行を予定し、潟Oラフィック社から発行されている。以前バイシクルクラブ編集部にいた田村浩氏が編集長で、当館にも取材に来られ、当館の所蔵車も撮影されました。(中村博司)
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2010年11月20日

★2010年11月第3週

[ 11月21日 20世紀前半に自転車の発展が少ない理由は、2度の世界大戦だろう。]
(1)博物館便り
10月第3週の日記で紹介した「自転車型社会デザインを考えるフォーラム2010」にパネリストとして出席してきた。基調講演は直木賞作家で自転車を毎日愛用する山本一力氏が、自転車に乗って学んだこととして、問題を放置しないこと、マナー良く乗ること、自転車操業は良い意味で使われないが、自転車は乗り続けることで自分の健康が保て、仕事も出来ると呼びかけた。
私の出たパネルディスカッションでは、国立健康・栄養研究所の宮地氏のコーディネートで始まり、私が15分程で「自転車の発展とその未来へ」を発表して、自転車の基礎を話し、次に宮地氏が「自転車利用と健康」を発表、国立環境研究所の近藤氏から「自転車へのモーダルシフトによるCO2削減効果について」を発表、東大の准教授で都市工学が専門の大森氏より「交通計画の視点から自転車型社会を考える」を発表した。優秀な頭脳を持つ学者さんの研究を、自転車乗りの立場にいる私がもっと面白い内容に引き出せれば良いのだが、300人近く参加した人もこうした問題に関心を持って聞く人と、関心のない人がいたようだ。
このフォーラムの内容は12月中旬に日本経済新聞の全国版に一面で掲載されるとの事であり、自転車を見直し活用する世論が高まる効果を期待したい。
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<今週の展示車>
成人男性に自転車の魅力を伝える展示として「あなたは大丈夫?メタボリックシンドローム」をアピールする展示。
生活習慣病に予防効果のある理由を説明するタッチセンサーパネルの展示です。
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(2)通勤サイクリング
秋も深まり日没が早くなり、その分夜の帰り道も寒く感じる。ジャージーも手袋も厚手のものを着用して走っている。
機材の改良も目覚ましいが、ウェアも高性能化して、良いウェアを着用すると、動きを確保して寒さが気にならない。これから寒さが本格化するが、ウェアがどこまで高機能化しているか楽しみである。特に手袋に注目し、新しい手袋を入手したので、その防寒効果を早く試したい。
話は全く異なるが、自転車は19世紀に誕生し大発展したが、20世紀前半に大きな進化がなかったのはなぜか?
近代移動手段として自動車や飛行機が大きな発展をしたのに、自転車は殆ど停滞したと思える。その理由をずっと考えていた。私の出した仮説は「戦争」である。19世紀終り頃から第2次世界大戦の終結まで大きな戦争が絶えることがなかった。飛行機(戦闘機など)や自動車(装甲車、戦車など)はいわば戦争に必要な軍需産業であり、戦争に勝つために資材、人、カネも投入された。しかし自転車は平和産業であり、日本でも銀輪部隊が道路の整備されたマレー半島で使われた例はあるが、自転車の生産が資材不足で出来ない時期があった。アメリカの自転車産業が独自の発展をするのはベトナム戦争後のことである。1973年にアメリカはベトナムから撤退し、マウンテンバイクは1975年頃誕生している。大規模な「戦争」のない平和な時代にこそ自転車は目覚ましい発展をする。これが私が出した結論である。

(3)新刊の紹介
懐かしいニューサイクリングから日本的サイクリングの盛んだった1970年代の記事をまとめた本が出版された。当時のサイクリストは峠を目指し、峠でコーヒーを入れて飲むのを大人の趣味とした。器材も道路整備も遅れ、自動車も少なかった古き良き日本の風景を求めて自転車を分解して列車で移動する輪行という日本独自のサイクリングが盛んだった。私も1969年に日本初の量産型輪行車アルプスクイックエースを購入してロードレースの練習とは異なるサイクリングを楽しんでいました。(中村博司)

10.11-3-2.jpg「New Cycling ’70年代読本」エヌシー企画発行で税込価格7,000円である。


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2010年11月13日

★2010年11月第2週 

[ 11月14日 風邪で10日間も自転車を休み、再開しました。]
(1)博物館便り
先週は堺の自転車のまちづくりの委員会が開かれ、副委員長として出席してきた。今回は自転車のまちづくりをすすめるための人材育成を目指す「堺自転車アカデミー」の検討案について説明があった。1年間で50人程を市民と市外の人も含め、年間10回程度の講座や講習、トークショーなどを実施する計画だ。
アカデミーを修了すると自転車マスターの称号が与えられる。自転車マスターの資格取得によって得られるメリットや義務等、これから魅力づくりが必要だ。また講義や実技指導で私の出番が増えるのは避けられないようだ。これが自転車まちづくりに有効な手段になるよう、しっかり検討したい。
博物館イベントは一般に公開しているが、今年は試験的に実施したイベントがあり、それが成功裏に終了した。自転車運動は有酸素運動効果が高いと私も言い、一般的にも言われているが、それを使ってメタボリックシンドロームを改善するイベントを実施した。参加者には3ヶ月間、1回30分以上自転車に乗ることを毎週3回以上続けることを義務づけた。
有酸素運動領域で走ってもらうため、心拍計のついたシマノのサイクリンクを参加者に貸出した。あまり効果の出ない人もいたが、画期的な成果(体重が110→93kg、腹囲114→100cm)という人も出た。
支給される会社の作業服が着られる。昔の背広が着られる。自転車は移動手段としか考えていなかったが、考えが変わった。有酸素運動を頭では分かっていたが、今回は体感できたなど、感激の言葉を聞くことができた。嬉しいかぎりである。来年春に、今度は公開して募集し実施したい。
<今週の展示車>
自転車の良さを知るだけでは誰もが自転車に乗るライフスタイルを始めるか?   
ターゲットを女性と男性、子供に設定してアプローチしている。これは女性に対し「自転車は美しい脚線美を作る」という提案を分かりやすくまとめた映像を見せる展示だ。
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(2)通勤サイクリング
先々週に東京のミュージアムやお店を回ったが、その時から風邪の症状が出始め、11月3日の健康サイクリングの時は声が出ない状況だった。幸い案内役は大阪サイクリング協会の方にお願いしてあったので開催できた。
この健康サイクリングに毎回参加して下さる方2人に、先頭と最後尾の安全確保もお願した。私も驚くほど皆が張り切って役割を見事にこなして下さった。常に参加して下さっている7〜8人は、もういつでもサイクリングのリーダーを担当出来るだけの力を持つようになったのを実感した。来年からは健康サイクリングの世話人会的なものを立ち上げて、分担してコース設計から実施まで担当する形を作ってみたくなった。 私がいつまでも中心にいると、コースもマンネリ化することもあるからだ。
私の風邪のために参加者が楽しみにしているこのイベントを、私がいなくても出来るようにしたい気持ちもある。私の負担が少なくなれば、京都や神戸など、少し遠出をするサイクリングも新たに企画できるのである。
10月の走行距離は703kmだった。今年もあと2ヶ月である。8,000km達成には2ヶ月で1,440km走ることになる。風邪も治ったので頑張って走ります。
(3)新刊の紹介
八重洲出版から砂田弓弦氏の写真集ジロ・デ・イタリア薔薇色の輪舞が11月5日に発行されている。
砂田氏の撮った迫力ある写真にまつわるジロ・デ・イタリアで起こった数々のドラマが紹介されている。その一つ一つの話が実にリアルで、私の心に響いた。本物の自転車レースを鋭く暖かく見守る砂田氏の力作です。(中村博司)
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2010年11月06日

★2010年11月第1週   

[ 11月6日 やっと私の著作が発行されました。]
(1)博物館便り
10月30日(日)午後にシマノの自転車文化の発信拠点OVEで「デザイナーから見た自転車の歴史」のトークライブを行ってきた。これは東京の青山周辺で行われているデザイン祭典「東京デザイナーズウィーク」に合せて行ったものだ。
当館の所蔵自転車を中心に写真撮影と特色等をその時代背景と共に考えて作ってきたものを紹介し、著名なデザイナー川崎和男氏にもお願いして「自転車の未来」デザイナーの視点から という文章を書いてもらっていた。
トークショーに参加したのは、私とシマノのデザインの責任者と建築デザイナーとグラフィックデザイナー関係者2名の5人プラスコーディネイターはシマノの企画担当者が行って、1〜2時間余りの時間をとって実施した。自転車の未来については、2つの方向性がある。
人間の能力を高めてくれるスポーツ的効用を追求するものと、サイエンスを使い人間の不足するパワーを補助するものや、ストレスを軽減する方向があるようだということで、未来の自転車についてまとめた。
10.11-1.jpgトークライブの様子
(2)通勤サイクリング
OVEのイベントに合わせて東京へ行ったので、東京のミュージアムを見学し、合わせて10月20日に表参道ヒルズにオープンしたというビアンキのお店を訪問してきた。ビアンキ社は創業125周年を迎えた老舗ブランドだが、未来をテーマにしたお店は表参道ヒルズの地下3階にあった。
地下3階とは言っても、中央に大きな吹き抜けがあり、外光と照明で暗いイメージはない。お店はとてもオシャレで、合計30〜40台のスポーツバイクが展示されていた。ビアンキ独特のチェレステ・ブルーの色も美しい。
東京には多少アップダウンはあるが、自転車が楽しめる環境・空気がある。オシャレな街に出来たオシャレな店が、新しい自転車ファンを開拓してくれるのを期待して見守りたい。
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(3)新刊の紹介
3年前に八重洲出版から出したサイクリングビギナーズの改訂版として「新版大人のサイクリングビギナーズ」が11月5日に発売された。表紙右側が私です。改訂版といえども、企画から考えて、半分以上全く新たに書きました。
1年位前から構想を考えて、資料を集め少しずつ書いてきました。本を出すって本当にエネルギーが必要です。(中村博司)
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