2010年12月23日

★2010年12月第4週 

[ 12月26日 12月24日から1月4日まで休館します。]
(1)博物館便り
2010年はまもなく終ろうとしている。あなたにとって2010年はどのような年になりましたか?
私にとっては病気もケガもなく、博物館のイベントも無事に一年を過ごせたように思います。2010年の年の始めに私は5つの目標を立てていた。
@博物館資料の整理を完成車から部品中心に進める。特に整理とデータ蓄積の手法を確立するという目標に対しては、収蔵庫内に部品棚を設置し、収蔵スペースを作り、部品にタグを付けてコード番号化する作業に入った。部品点数は約5,000点あり、2,000点位の写真撮影など1〜2年かけて順次進めるが、当初の目標は達成したと思う。
A入館者イベント参加者の目標は9万人を設定した。
残念ながら入館者は横ばいに推移し、イベントも「絵画コンクール」は1,500点の伸びに終り、「こんな自転車欲しかってん」は微減した。学校団体を誘致するための人員と「こんな自転車」の参加賞を良くするメドは立ったので、出直すことにする。
B今年出版した「大人のサイクリングビギナーズ」の改訂版をレベルアップして、入門書の決定版にしたいという目標はほぼ私としては満足できる内容に仕上がったと思っている。
C海外の自転車利用環境の勉強をする計画だったが、本場の欧州には行けなかった。幸い台湾を旅行する機会があり、高雄市のコミュニティサイクルを見学できた。
D個人的なレース活動で納得できる走りをすることが目標だった。一応マスターズの60歳以上の部で7位に入賞できた。上位に行けなかった等反省点はあるが、一応結果を出せたことには満足している。また年間8,000km走る自主目標はほぼ達成できた。
目標に対し達成は3.5件、未達は1.5件といった結果である。来年の目標については正月にゆっくり考えてみたい。
<今週の展示車>
今週から「見える収蔵庫」の最前列に展示している自転車を紹介します。
中野浩一選手が世界選手権のスプリント競技で10連覇を達成したトラックレーサーです。
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(2)通勤サイクリング
先々週に比べ寒さは少し緩んだが、朝夕の冷え込みは強い。耳あて帽子にプラスしてフリースのマスクを着用して走っている。
年末にあたり、私にとっての10大ニュースを紹介したい。
@新版「大人のサイクリングビギナーズ」八重洲出版より発行(11月)
Aフォーラム堺学「日本の自転車文化首都を目指して」が堺都市政策研究所より発行(3月)
B産経新聞連載「関西笑談」A4サイズのコラムで私の半生について掲載された。(7月)
C日経新聞主催「自転車型社会デザインを考えるフォーラム2010」にパネリストとして参加した。12月には日経全国紙に発言内容が掲載された。
D講演活動では、今までにない所(堺警察署、大阪工業大学、堺市教育委員会等)で行い活発化した。
E日本スポーツマスターズ7位に入賞(伊勢市)した。(9月)
Fライフ・クリエーション・スペースOVEで「デザイナーから見た自転車の歴史」にパネリストとして出席した。(10月)
G自転車博物館のテストイベント「自転車でメタボ予防・改善コース」を開催し、成功した。
H年間走行8,000kmはほぼ達成した。
I自転車博物館の前事務局長、フランドリアチームのチーフメカニックが死去した。私が仕事人生を語るうえで、誇れるのはデュラエースの誕生に立ち会ったことと、日本でのデュラエースの評価を決める活動をした事だ。またシマノの自転車博物館とはこんな博物館であるというイメージを確立させたことだろう。その時に私にとって大きな力になって下さった方が相次いで亡くなった。

(3)新刊の紹介
八重洲出版から『スポーツサイクルカタログ2010クロスバイク/アーバン/小径車/折りたたみ車/MTB編』が12月20日に発売されました。税込み定価1,680円です。(中村博司)
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2010年12月18日

★2010年12月第3週 

[ 12月19日 恥かしながら私の自転車人生を講演しました。]
(1)博物館便り
堺市教育委員会の要請を受け「堺・教師ゆめ塾」で「自転車と歩んだ人生━キャリア教育の視点とあわせて━」というテーマで1時間半の講演を行った。
「堺・教師ゆめ塾」は堺市の小中学校の教師になるゆめを持っている方を対象に「堺の教師」として求められている資質や実践的指導力を身につけてもらうため開設された。
私に話が来たのは、以前当館主催の「こんな自転車欲しかってん」コンテストの応募内容を教えるため、小学校の児童に説明したことがあった。その時に私の自転車人生を話したのだ。
その時の先生が教育委員会に異動になりこの塾を担当して、私の生き方がキャリア教育そのものであり、この塾で話してほしいとの要請があったのだ。
2月に話があり、12月に講演ということで、発表資料の作成には時間をかけて、内容もそれなりに検討できた。ただ本題に導入する部分では良い考えが浮かばず困りました。
12月に入ってから資料を仕上げ、発表時間90分をフルに使って発表しましたが、140人の教師の卵の方々も熱心に聞いてくれて、話し甲斐があった。
今回の担当の方も、また別の機会に講演をお願いしたいとの話があり、快諾しました。
10.12-3.jpg熱心に聞いてくださる140人の前で、気持ちよく講演させてもらいました。
<今週の展示車>
当館のキャリア教育コンテスト「こんな自転車欲しかってん」の表彰作品展示です。
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(2)通勤サイクリング
先日悲しい知らせが、ベルギーに滞在中のプロレーサー橋川健氏から入った。
1973年にDURA ACEが誕生し、その供給先になったプロチーム「シマノ・フランドリア」のメカニックであったフレディ・ヘイデンス氏が亡くなったとの知らせだった。
ヘイデンス氏はずっとメカニックの仕事を続け、近年はロットチームで働いていて、生涯プロチームのメカニックとして全うした。チームに迷惑をかけないシーズンオフに人生を閉じたことも、ある意味本当のプロフェッショナルである証明だったように思える。
1973年3月に私はチームに合流した。私の仕事はヨーロッパのレースの調査や機材のメンテ、改良の課題をシマノ本社にレポートするものだった。私は下手な英語しか話せず、ベルギー人はフレミッシュというベルギー語でコミュニケーションに苦労した。私はメカニックの仕事を手伝うことで、自分の目で確かめたことを日本にレポートを書き、航空郵便で毎週送った。EメールもFAXもない時代だった。
ヘイデンス氏は私とのコミュニケーションを改善するため英語を勉強してくれたので、本当に助けられた。またツール・ド・フランスのチームのメカニック3人のうちの1人に選んでくれたことに今も感謝している。その3人のメカニックもベルギー人2が亡くなり、1973年のフランドリアチームのツールにおけるメカニックは私1人になってしまった。デュラエースの開発改良に大きな力になってくれたヘイデンス氏に改めて感謝し、冥福を祈るため、彼の家族にシマノ・ヨーロッパから弔電を送ってもらった。 (中村博司)
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1973年のツールで、右がヘイデンス氏で私が隣にいます。


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2010年12月11日

★2010年12月第2週

[ 12月12日 初めて理系の大学で講演をしました。]
(1)博物館便り
先週末に大阪工業大学で講演を行った。
夏頃に大阪工業大学の「ものづくりセンター」の先生が来館されて当館を見学し、当館のクラシック自転車のレプリカを、10月30〜31日に開催された大阪工業大学の「工学実感フェア2010」に貸出した。その過程で、ものづくりセンターが開催する11回目の「モノラボ・テクノフォーラム」で講演の依頼を受けたのだ。
テーマは「自転車の誕生から現在まで・・・技術発展の歴史」である。会場には約70人の学生が集まってくれた。
話は、ものづくりは「どうやって作るか」ではなく「何を作るか」が大事だと話した。今話題の米からパンが作れる自動製パン機の話から入った。実はこの製パン機には自転車の技術使われている。水に浸した米を砕く時は、羽根が毎分6300回転で米をペーストにする。次に生地を捏ねる時は毎分400回転位の低速が理想で、この羽根が低速でしか動かないようにするために自転車のクランク構造を使っている。また高速回転は左回転、低速回転は右回転するが、これは自転車のフリーホィールの構造が使われているようだ。
私が言いたかったのは自転車の仕組み、技術を学ぶことは、他の多くの分野で役立つということだ。自転車産業が生んだラック&ピニオンのステアリングシステムやディファレンシャルギアは自動車で今も使われている。
空気入りタイヤはイギリスのダンロップが1888年に自分の子供の自転車のために発明し、あらゆる乗り物に使われている。そのあと歴史を説明し、自転車の発展に寄与したシマノの変速システムの推移を話した。
最後に京セラの稲盛和夫氏が述べた方程式「人生の結果」=「考え方」×「熱意」×「能力」の話をして、これから社会に出て活躍するために考え方をいつもプラスの座標軸に置いて、仕事はまさに幸せな結果に向けて一生懸命続けるようエールを送った。
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ロードバイクの最新テクノロジーの説明を電動デュラエース搭載車を使い説明した。
<今週の展示車>
自転車を生かしたまちづくりボードです。
「堺・自転車のまちづくり市民の会」の活動を紹介するボードで、堺自転車地図も掲示しています。
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(2)通勤サイクリング
冬になって冷たい風は北から吹く。ここ数日は風が強い日が多い。幸いに私の家の方向は博物館から南の方にある。つまり帰路は追風になる。風は強いが、風が後から押してくれる。先日は帰宅すると妻が「すごく早かったね。」と驚いていた。北から吹く追風効果だと説明したが、寒い時期の通勤ルートを考えると、家は職場の南に買うのが良いのだろう。もちろん朝は逆風の中を必死でペダルを回してもなかなか進まない。遅刻を恐れて時間との勝負になる。 ・・・どちらを選ぶかは各自の判断におまかせします。(中村博司)


posted by bikemuse at 16:59| カテゴリ無し | 更新情報をチェックする

2010年12月04日

★2010年12月第1週

[ 12月5日 落葉の多い道を選んで、初冬の景色を楽しんでいます。]
(1)博物館便り
私の著作「新版大人のサイクリングビギナーズ」は発売から1ヶ月が過ぎた。おかげさまで、まずは好評のようで一安心である。
当館の関係する自転車の団体にもお送りしたが、早速にお礼状が届き「内容が素晴らしいので公私ともバイブルとして活用したい」とまでコメントして下さる方もいた。また「楽天 みんなのレビュー」には本書の書評として「本屋さんで立読みの際に他の入門書に比べ、何かビビっと感じました。読んでいても文章に柔らかさを感じます・・・」とあり、嬉しくなりました。一般の新聞の連載を担当した時は常に予備知識なしに、誰が読んでも分かり易い文章にすることが求められ、表現に苦心していました。そうした経験が役立って柔らかい文章と受止めて下さったのでしょう。
私はかつては一流レーサーだった現役のサイクリストであり、自転車博物館学芸員として自転車を研究し、毎月2回以上初心者を指導して、欧州を視察して自転車を活用したまちづくりに取組んでいます。その全ての経験を注ぎ込んでこの本を書いたのです。3年前の本よりもレベルアップして、私としては自転車入門書の決定版と言える内容になったと自負しています。その評価は、本の売れ行きにかかっています。皆さん私の本を買って下さい。
<今週の展示車>
まちづくりは『ひとづくり』から!の展示ボード
当館が協力したキャリア教育プロジェクトについて小学校で行ったカリキュラムが紹介されています。
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(2)通勤サイクリング
先月は風邪をひいて10月末から11月上旬までは全く自転車に乗れなかった。11月9日から通勤サイクリングを再開したが、11月の走行距離は540kmに終った。年間8,000kmを達成するにはあと883kmである。毎日休まず30km走っていれば到達する。無理せず乗ります。
12月に入り、今年もあと1ヶ月で終る。私の立てた5つの目標の達成は微妙だ。あなたは年初めに立てた目標に対して、どれ位近づけましたか?
12月に入って空気がますます冷たくなってきた。私は落葉の多い道を選んで初冬の景色を楽しみながら走っています。(中村博司)
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私の通勤ルートは博物館に隣接する大仙公園の道です。美しい紅葉の中をゆっくり走ります。

posted by bikemuse at 13:04| カテゴリ無し | 更新情報をチェックする