(1)博物館便り
2010年はまもなく終ろうとしている。あなたにとって2010年はどのような年になりましたか?
私にとっては病気もケガもなく、博物館のイベントも無事に一年を過ごせたように思います。2010年の年の始めに私は5つの目標を立てていた。
@博物館資料の整理を完成車から部品中心に進める。特に整理とデータ蓄積の手法を確立するという目標に対しては、収蔵庫内に部品棚を設置し、収蔵スペースを作り、部品にタグを付けてコード番号化する作業に入った。部品点数は約5,000点あり、2,000点位の写真撮影など1〜2年かけて順次進めるが、当初の目標は達成したと思う。
A入館者イベント参加者の目標は9万人を設定した。
残念ながら入館者は横ばいに推移し、イベントも「絵画コンクール」は1,500点の伸びに終り、「こんな自転車欲しかってん」は微減した。学校団体を誘致するための人員と「こんな自転車」の参加賞を良くするメドは立ったので、出直すことにする。
B今年出版した「大人のサイクリングビギナーズ」の改訂版をレベルアップして、入門書の決定版にしたいという目標はほぼ私としては満足できる内容に仕上がったと思っている。
C海外の自転車利用環境の勉強をする計画だったが、本場の欧州には行けなかった。幸い台湾を旅行する機会があり、高雄市のコミュニティサイクルを見学できた。
D個人的なレース活動で納得できる走りをすることが目標だった。一応マスターズの60歳以上の部で7位に入賞できた。上位に行けなかった等反省点はあるが、一応結果を出せたことには満足している。また年間8,000km走る自主目標はほぼ達成できた。
目標に対し達成は3.5件、未達は1.5件といった結果である。来年の目標については正月にゆっくり考えてみたい。
<今週の展示車>
今週から「見える収蔵庫」の最前列に展示している自転車を紹介します。
中野浩一選手が世界選手権のスプリント競技で10連覇を達成したトラックレーサーです。

(2)通勤サイクリング
先々週に比べ寒さは少し緩んだが、朝夕の冷え込みは強い。耳あて帽子にプラスしてフリースのマスクを着用して走っている。
年末にあたり、私にとっての10大ニュースを紹介したい。
@新版「大人のサイクリングビギナーズ」八重洲出版より発行(11月)
Aフォーラム堺学「日本の自転車文化首都を目指して」が堺都市政策研究所より発行(3月)
B産経新聞連載「関西笑談」A4サイズのコラムで私の半生について掲載された。(7月)
C日経新聞主催「自転車型社会デザインを考えるフォーラム2010」にパネリストとして参加した。12月には日経全国紙に発言内容が掲載された。
D講演活動では、今までにない所(堺警察署、大阪工業大学、堺市教育委員会等)で行い活発化した。
E日本スポーツマスターズ7位に入賞(伊勢市)した。(9月)
Fライフ・クリエーション・スペースOVEで「デザイナーから見た自転車の歴史」にパネリストとして出席した。(10月)
G自転車博物館のテストイベント「自転車でメタボ予防・改善コース」を開催し、成功した。
H年間走行8,000kmはほぼ達成した。
I自転車博物館の前事務局長、フランドリアチームのチーフメカニックが死去した。私が仕事人生を語るうえで、誇れるのはデュラエースの誕生に立ち会ったことと、日本でのデュラエースの評価を決める活動をした事だ。またシマノの自転車博物館とはこんな博物館であるというイメージを確立させたことだろう。その時に私にとって大きな力になって下さった方が相次いで亡くなった。
(3)新刊の紹介
八重洲出版から『スポーツサイクルカタログ2010クロスバイク/アーバン/小径車/折りたたみ車/MTB編』が12月20日に発売されました。税込み定価1,680円です。(中村博司)
