1.博物館便り
富山市の自転車市民共生システム「アビィレ」を視察してきました。 富山市では、環境にやさしい街作りとして、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりとして、トラムと自転車市民共同利用システムを合体させた交通システムを完成させた。 トラムは低床式で、乗り降りをしやすくしたもの。 このトラムは駅から街の中心街を20分ほどで一周する。この一周するトラムの駅や、公共機関(市役所)等に、自転車貸し出し、返納ステーション15ヵ所を設けている。 トラムで移動し、その先は自転車利用と云うわけだ。自転車貸し出しシステム、自転車の管理はパリや、世界中64都市で運営する「JCDecaux」を親会社とする、シクロシティ(株)が運営。 自転車もヨーロッパと同じもの(ハンドル幅だけ60cmにして日本の法規に合わせている)を貸し出し、返納を管理するコンピュータシステムも海外のものと同じ使い勝手。この、シクロシティの運営費用は、自転車貸し出料金と、市内30ヵ所の看板広告料金で賄われているとのことで、市のお財布にもやさしいとのこと。利用料金:30分まで無料。60分まで200円、それ以後は、30分毎に500円。勿論、自転車道路もこのシステム導入と共に整備されて走り易い。




2.サイクリング
さあ、2011年9月19日ここ石川県津幡町から実況中継をお送りしましょう。
現在、朝9時です。ここ津幡町では、昨日の盛夏を思わせる天気から一転、小雨の朝です。 今日、津幡町では、おじさんローディ日本一を決める「日本スポーツマスターズ2011」主催日本体育協会の権威有る大会の「ロードレースのスタートを待っています。
今回の大会には、歴代優勝者4名の他、全日本チャンプ(今も片鱗を残す)中村博司選手の姿も見られます。 強豪揃いのメンバーです。 そんな中、今日のハイライト選手「長谷部選手」の姿も見られます。既に朝から25kmを越すウオームアップを済ませた顔は、雨に濡れ眼光鋭く輝いていますゥ?え!この選手また、笹巻きのさば寿司食べてます。あ、4個も食べちゃってます。大丈夫でしょうか。ご本人に聞いてみましょう。4個も食べて大丈夫ですか? この一周5,3kmのコースは、急坂中には10%の登りも含む連続坂2kmで、高低差70mを登り、その後も登りと下りを混ぜながら高低差90mも登り、そして後の2,5km程は下りしかないと云う休むところの無いハードコース。腹一杯食べちゃって大丈夫なんでしょうか。 勝気より、食い気なんでしょうか。相変わらずですねえ。えー腹一杯ですわ。 でも、スタートまで2時間あるので、何とかなるでしょう。 Qちゃんだってスタート前はおにぎり食べてますやろ。 まあ、炭水化物は消化が良い方ですから、たんぱく質を採るよりはいいでしょうか。 でも、サバってたんぱく質だよね。いい加減ですね。 まあ、こんな感じで何時もよりはリラックスしてスタートを迎えているようです。
朝から小雨が降っていた。めげず、ウオーミングアップを行い、会場へ向かう。会場は小高い山90mにあり、会場周辺の山頂には薄ら雲が掛かっている。雨天時のレースは転倒し易い。転ぶとやだなと思う。 前日の試走では一周10分で廻った。実際のレースでは、一周8分48秒で回っているので、実際のレースのほうが10,7%も速く走っている。レース時は、アドレナリンがシャワーのように、脳みそに降り掛かっているんですね。 スタート前、濡れたハンドルバーを受けから見ていて、これまでの練習の日々を思い出す。しっかり練習してきたんだと自分に言い聞かせられ冷静になった。5,3kmのうち、登り坂と下り坂が半々。実力と練習量がそのまま結果にできるコースは嬉しい。2007年優勝のスプリンターの若さんがゴールまで一緒だと勝てないなと考え、作戦は積極策をとることにする。勿論雨の日のレースで消極策は、転倒に巻き込まれる危険がとても高い。いよいよスタートが近づく。 私は、老練の選手の如く、ずうずうしく最後にやって来て一番前のラインに並ぶ。しかし、オルガナイザーもそうは問屋が卸さずとばかり、スタート順は昨年までの実績者4名が名前を呼ばれて最前列に並ぶ。
スタート前、スターターが「年を取ったら骨がくっつき難くなるので、落車しないように気を付けて走ろう。と前のレースに出ていた人が言っていたよ。と人のせいにしながら注意を促す。結果を追うばかりに、無理してコケなさんなよ。と云うこと参加者全員が理解したので、失笑が漏れる。 ドーン!スタートのピストルが鳴らされた。 案の定、先程の、無理スンナよコールのせいで、選手全員意気消沈気味スロースタート。 長谷部選手おっと、うまい!!3番手につく。流石百戦錬磨。いや、ただずうずうしいだけか。雨脚が強くなりカーブでは滑る。特にセンターラインの白線が滑り易い。ラインに乗り落車しそうで怖い。100mほどで頂上、そして2kmの下り坂続くがやはり勝ちたい人は、無理してでも前へ出てくる。 1人に抜かれる。 これ以上抜かれるとU字カーブ(下りきったところの急なカーブ)、で自分のラインが取れず、転倒リスクが高くなる上に、加速が付け難くなる、U字カーブを抜けると一気に800mの登りとなる。勾配は10%は有ろうかと思う。ちょっと、ここで皆さんの足を(実力)を観るために、登りで先頭に出て飛ばしモーションを掛けてみる。一列棒状になる。 足が有りそうな選手が3名ほど付いてきて、坂の中間点で4名になる。 次の2番坂でちょっとスピードを上げてみる。棒状になりながら4人が一緒になる。 一周目で、3人になり、3番目で二周目の下りに入る。 二周目の登りで、また一発かましてみる。一人が落伍して2人になる。そのまま、登り、3周目に突入。岡山の選手と二人になる。(昨年優勝の強者) 登り、足は行けるが息苦しくなって、ここで止めちゃおうかな、と心が折れそうになる。ぜいぜい、と自分の息が聞こえる。岡山さんが声を掛けてくれる。 皆坂が弱いぜ、行こうぜ、逃げようぜと言ってくれる。あんたは、強いよ、と返事をする。岡山さんのペースにはまりそう。こりゃいかん。 下り坂ちょっと岡山さんと距離を離して後ろから様子を見ることにする。U字コーナー手前の下りで距離を詰める。 登り始めのところで、ダッシュされては追いつかなくなる。岡山さん、登りを立ちこぎで登る。凄いなと思う反面、これは勝てるなと思う。しんどいから、立ちこぎになる場合と、加速で立ちこぎとなる2つのケースがあるが、岡山さんは後者のようで、速いスピードで登って行く。ここで後ろの選手が千切れると一気にダッシュできるが、ぴったりと付かれてしますと、逆にプレッーシャーとなり疲れる。大きな登りを登りきると、後は1,5km程山並を上り下り連続する。時々横に並んでプレッシャーを掛けスピードを上げる。滑らないように慎重にそして、力を出し切るように高速で進む。 ペダリングが力強い。 ゴールスプリントに向けて体の調整をする。先ず、脈拍を下げる。130/分位に下がるのが理想だ。この脈拍だと冷静な判断ができる。大よそ140/分位まで下がったところで、ゴール前300m。息を整え、岡山さんを慎重に見極める。どこで仕掛けるかが大事なポイント。大きな大会、小さな大会、何れの大会でも一番興奮し、最も楽しい時だ。3レース前に、ペダルさんがゴール手前で交されタイヤ一本差(3cm)で負けていたので、特に慎重になる。 岡山さんゴール前なのに油断しているみたいに見える。ペースを上げる気配が無い。 ゴールまであと200m。 ちょっと早めだが下り坂を利用し慎重を期して仕掛ける。さあ、ここだ!と渾身の力で、ペダルを踏み込む。 勿論、効き足の右からだ、フロントギア39T、リアギア12T グー!!と踏み込む。自転車がスーと伸びていくのが感じ取れる。とってもいい感じだ。ゴール前で勝利を確信。10m手前からガッツポーズを作り、両手を挙げてゴールラインを通過した。2位岡山さんとは13mからの差。 北京オリンピックで、北島康介選手が、ゴール後「気持ちいいー」と叫んでいたのが印象的だったが、全く同じ気持ちを味わうことができた。 大会ランクはかなり違うレースだが、全身の力を出し切ったという、満足感は一緒だろう。 2000年の50歳の時に、ツールド沖縄で優勝した時以来の優勝だ。
今年の自転車の大会は全て終了。 今年、1月に66kg有った体重も、9月では、61kgに減っていた。1月から9月20日までの走行距離、8500km余り。久しぶりに走り込んだ結果だが、体は鍛えれば60歳になっても、満足なレースができ、自分で満足行く体力、体になるんだなと思った。自転車は特に機械を使う運動なので、自転車を前へ進める要点、要領が上手か否かで体力の低下=スピードの上下に効いてくる。
ホテルへ帰って、部屋で中村さんがフランス産白ワインを開け、「優勝おめでとう」と乾杯で祝ってくれた。ワインと、嬉しい親友の言葉が深く心地よく体に染みた。



posted by bikemuse at 17:38|
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